『トマス・ヴェンツロヴァ自選詩集』書評 詩で世界と連帯
リトアニアの詩人トマス・ヴェンツロヴァの『自選詩集』(櫻井映子訳)が刊行。日本初のリトアニア語原典からの翻訳詩集であり、詩人自身が選んだ自選詩集としても世界初。困難を生き抜く示唆に満ちた一冊を鴻野わか菜氏が評する。
リトアニアの詩人トマス・ヴェンツロヴァの『自選詩集』(櫻井映子訳)が刊行。日本初のリトアニア語原典からの翻訳詩集であり、詩人自身が選んだ自選詩集としても世界初。困難を生き抜く示唆に満ちた一冊を鴻野わか菜氏が評する。
10月18日(日曜)朝刊の「本よみうり堂」で紹介する8冊を発表。井戸川射子『印象・スケッチ』やミランダ・ジュライ『はいつくばって』など、多彩なジャンルの新刊が並ぶ。予定は変更の可能性あり。
小説『紺碧のアビタシオン』第25回。美貴子は結婚より勉強を望み、音楽への興味を口にする。暗闇で聖歌を歌い、皆の拍手を受けるが、戦争の足音が迫る中、眠れぬ夜を過ごす。
日本女子大学に8日、芥川龍之介の自筆署名が記された洋書が寄贈された。同大が所蔵する片山広子旧蔵書のフィオナ・マクラウド全集で、長らく欠けていた第2巻がこれでそろった。
美貴子は見学先の家で、想像より狭く暗いお茶の間と、土間や木製の流しがある台所を見せてもらう。大連の家との違いに疑問を抱き、その夜、班の女生徒たちは口々に大連の家が好きだと語り合い、帰還を待ち望む。
小説「紺碧のアビタシオン」第23回。大連では日本人が最も偉く、中国人との階層が当然とされた。日本に来た美貴子は、日本人同士にも階層があることを知り、上座の概念に戸惑う。
ミステリー作家の越尾圭さんが、海上保安官、刑務官、入国警備官という普段あまり知る機会のない職業を描いた3作品を紹介。『海の教場』『慟哭の刑務官』『潜伏 入国警備官・霧原隆一』を通じて、社会の安全を支える仕事に迫る。
兵庫県豊岡市立田鶴野小学校の仲本智子さんが、誕生40周年を迎えた児童書「ルドルフとイッパイアッテナ」の魅力を語る。猫たちの冒険に込められた教養の大切さや、読み聞かせへの思いを紹介する。
英国のベストセラー作家で元政治家のジェフリー・アーチャー氏が5日に死去した。86歳だった。著書は119カ国、47言語で出版され、世界で3億部を超える売り上げを記録。1976年のデビュー作などで知られる。
奈良徳島県人会相談役の本出良一さんが、東大寺再建に尽力した重源と四国の豪族・田口成良を描いた「大仏復興ものがたり」を自費出版。史実を踏まえつつ、2人の心情を大胆に創作した。
任侠電器第185回。昇は店の存続のため改革の必要性を訴えるが、おかみさんは「潰れりゃいいさ」と反論。店はまだ社長のものだと諭され、阿岐本らは騒動が治まったと判断し退席する。
静岡県立美術館館長の木下直之さんが著書『ゾウに乗る』で、アジアゾウの高子を起点に日本人とゾウの関わりを1500年にわたってひもとく。戦後、デパートの屋上で子供たちを楽しませた高子の視点から、日本社会の変遷を描き出す。
クリントン・ゴダール著『石原莞爾』の書評。満州事変と最終戦争論、戦後の平和主義を日蓮仏教に基づく思想として連続的に捉え、従来の「異端者」像を超えた石原の思想遍歴を丁寧に追う。
俳優・小川あんさんが『脚本の教室』(長久允著、ダイヤモンド社)を書評。映画の型を学びながら、自分だけの感情を物語に変える方法論は、あらゆる人生を生きる人の手引書になると評する。
写真集『アイヌ、現代の肖像』は、写真家・宇井眞紀子氏が34年にわたりアイヌ民族の現在を見つめてきた軌跡を収めた一冊。北海道から世界へ広がる取材の記録と、先住民族の等身大の姿を伝える取り組みを書評する。
美貴子は海で溺れかけるが、父の背中に乗せられてブイまで泳ぎ着き、無事に岸へ戻る。母から「女性らしく」と言われ、その言葉に小さな棘のようなものを感じて、生涯忘れられない思い出となる。
10月11日(日曜)朝刊の「本よみうり堂」で紹介予定の本が発表された。森埜こみち著『ファイティング!』や清水唯一朗著『〈きく〉ことの教科書』など10冊をラインナップ。予定は変更の可能性あり。
読売新聞の電子書籍レーベル「読売新聞Books」がリニューアル1周年を迎えた。張本勲さんの生涯を綴った一冊や思春期外来の現場を描く作品、戦争責任を検証した大型連載の電子書籍版など、いま読みたい珠玉のタイトルを紹介する。
美貴子は、芳子から受け取った薔薇と白いレースのハンカチを隠し持つ。大連の町では日本人と中国人の暮らしは明確に分けられ、少年たちが中国人の子どもを殴る光景も目にする。幸せな日々は永遠に続くと思っていたが、ある時が来るまでだった。
窪美澄の連載小説『紺碧のアビタシオン』第14回。美貴子は和室での父への挨拶に不自由さを覚え、権威主義的な空間を終生嫌う。大連で初めて見た白いスーツ姿の川島芳子に衝撃を受ける。
任侠電器第179回。昇が阿岐本に来客対応中、杉本社長が乱入し品揃えをめぐり対立。昇は客の前での議論を避けようとするが、杉本社長は後回しを認めず、阿岐本が仲裁に入ろうとする。
長崎市出身の漫画家・清水崑さんが諏訪神社に奉納したびょうぶ絵が、55年ぶりに宝物庫から発見された。龍踊をするカッパが描かれ、専門家は躍動感と郷土愛を評価する。
松本清張賞受賞作家・住田祐さんが『誰が首』で明智光秀を主人公にした歴史小説を刊行。信長の命で首のすげ替えを担う光秀の苦悩と、本能寺の変に至るまでの人間関係を描く。
樫原辰郎著『バグるラスコーリニコフ』(晶文社・2530円)は、進化心理学やAIなど最新科学を駆使し、ドストエフスキー『罪と罰』の喜劇性を暴く文芸評論。行動経済学や認知科学の知見で古典を読み直し、文芸評論の刷新を試みる一冊。
岡部克哉著『協調外交と勢力圏』は、日露戦争後の3次にわたる日露協約とその前後を、ロシアの未公刊文書に基づき詳細に分析。友好と敵対の二項対立を超えた外交の本質を描く。
ケイト・モートン著『時計職人の娘』は、19世紀ロンドンを舞台に、時計職人の娘とダイヤモンドの行方を巡る長編ミステリー。読者が真実を知る構成で、芸術や文化の描写も魅力。
フランスの権威ある文学賞「ゴンクール賞」の選考委員会は25日、AIで執筆した疑いがあるとして、ハイチ出身作家の候補作を選考から排除すると発表した。SNSでの告発や盗作論議を受け、選考委員会は「AI生成の文章による創作作品は決して支持せず、容認しない」と表明した。