「クラスの中で私のことを気持ち悪いと思う人がいた。その思いがその人と親しい人との間で共有された……。あとは、力関係です」
香苗はそう言って、さつきがクラスでハブにされた過程を説明し始めた。発端は、ある生徒が香苗に対して抱いた「気持ち悪い」という感情だった。その思いは親しい人々の間で共有され、やがてクラス全体に広がっていったという。
力関係が生んだ同調
「力関係って、どういう意味だ?」という問いに対し、香苗は「私のことを気持ち悪いと言っている人たちに逆らいたくない人たちが、それに従うようになります」と答えた。クラスの多くの生徒が、少数の意見に同調せざるを得ない状況に追い込まれたのだという。
結果的に、クラスの全員がさつきを無視するようになった。香苗自身は「いじめなんてばかばかしいって思ったから」無視しなかったと語る。また、「飯島愛瑠の思い通りになるのが嫌だったから」という理由も挙げた。
いじめの首謀者
「いいじまめる? 誰だそれ」と問われると、香苗は「いじめを始めたやつだよ。目立つ子でね。いつもグループで行動している」と説明。リーダー的な女子で、取り巻きが複数いる様子がうかがえる。
「そう。愛瑠に逆らうと面倒なんだ。さつきが言ったように、グループで同じようなことを考えているし、愛瑠のグループに睨まれたくない連中がみんな言いなりになる。石岡がついているしね」と香苗は続けた。



