SNSが招いた現実の惨状を追った『「いいね!」の裏側で』(マックス・フィッシャー著、秋山勝訳、白揚社・3520円)が注目を集めている。悪質なデマの流布、陰謀論の拡散、過激な集団の台頭など、社会全体の異変の背景にSNSがあると指摘する。
SNS企業が作った対立をあおるアルゴリズム
フェイスブック、X(旧ツイッター)、ユーチューブなどのSNSを開発・運営する企業は、利用者を長く画面に引き付けるために、人々の対立や過激化をあおる巧妙なアルゴリズムを作ったという。その影響は世界各地に及び、深刻な被害をもたらしている。
米国の銃乱射事件やミャンマーの大量虐殺との関連
SNSの影響により、米国では度重なる銃乱射事件が、ミャンマーでは特定の民族を標的とした大量虐殺が起こったとされる。しかし、SNS企業は自分たちの正しさを疑わず、自らが引き起こした惨状に目を背け続けてきたと本書は指摘する。
気鋭のジャーナリストが世界中を飛び回って徹底的な取材を重ね、SNSが現実社会にもたらした負の影響と、その背景にあるSNS企業の無責任な実態を暴いていく。今の社会に違和感を覚えている方に必読の一冊だ。(白揚社編集部 勝俣陸)



