川崎市バス運転手が有給休暇取得困難を違法と提訴 「2024年問題」のひずみが公共バス現場に波及
川崎市バス運転手が有給休暇取得困難を違法と提訴

川崎市バス運転手が有給休暇取得の困難さを違法と主張し提訴

川崎市バスの運転手らが、有給休暇を巡る運用変更により希望通りに取得できなくなったことは違法だとして、市を相手取り損害賠償請求訴訟を横浜地裁川崎支部に起こしている。この訴訟は、働き方改革による労働環境の健全化と引き換えに物流が滞る「2024年問題」の影響が、公共バスの現場にも及んでいることを示す事例となっている。

訴訟の詳細と背景にある労働環境の変化

訴状によると、提訴したのは川崎市宮前区の鷲ケ峰営業所に勤務するバス運転手4人である。彼らは合計で44万円の損害賠償を請求している。川崎市バスでは、直営の2営業所で約350人の運転手が勤務しており、市内を走る路線バスの運行を担っている。

有給休暇の申請プロセスは、翌月分の希望を毎月1日から17日までに提出し、24日頃に配布される「勤務計画確認表」に反映される仕組みだ。規程では「業務に支障があるとき」には希望が認められないルールが設けられている。運行に支障を来さないよう、シフトごとに「早番」や「午後番」などで6人前後の「先着枠」が定められていた。

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10年続いた運用が変更され、希望通りに取得困難に

しかし、2025年3月までは、この枠を超えても営業所側が勤務を調整し、運転手の希望をおおむね認めてきた。この運用は約10年間続いていたが、訴状によると2025年4月以降、状況が一変した。枠を超えた場合、希望が通らなくなる運用変更が実施され、運転手らは有給休暇の取得が困難になったと主張している。

背景には、働き方改革の推進により労働時間の規制が強化される一方で、物流業界では人手不足や業務負担の増加が顕著となった「2024年問題」がある。この問題は、公共バスの現場にも波及し、勤務調整の「ひずみ」として現れている。運転手不足は深刻で、横浜や川崎などの都市部でもバス路線の減便が相次いでおり、労働環境の悪化が懸念されている。

訴訟の意義と今後の展開

この訴訟は、単なる有給休暇の取得問題を超え、労働者の権利と公共サービスの維持のバランスを問うものだ。専門家からは、長時間労働を助長する可能性があるとして、労働基準監督署の指導見直しを提言する声も上がっている。裁判では、運用変更の合法性や、労働環境の健全化と業務効率化の両立が焦点となる見込みである。

川崎市側の対応や、他の自治体や交通機関への影響も注目される。労働問題が社会全体で議論される中、この訴訟の結果は、今後の労働政策や公共事業の運営に大きな示唆を与える可能性がある。

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