商品包装から色彩が消える日常 インク調達難で白黒化
商品包装から色彩が消える日常 インク調達難で白黒化

仕事帰りの深夜、コンビニエンスストアの明かりが静まり返った住宅街の夜道を常夜灯のように白く照らしていた。特に買いたいものがあるわけでもないが、自宅の最寄りという安堵も手伝い、その光に導かれるように店内に吸い込まれていく。夜更けということもあり、わずかなためらいを覚えつつも、小腹を満たすものを探して店内を物色していると、ふとスナック菓子の陳列棚に目が止まった。

パッケージの変貌

長年見慣れたポテトチップスのパッケージが装いを変えるという。大手菓子メーカーのカルビーは「石油原料節約パッケージ」として、ポテトチップスのパッケージを白黒の2色に変更する。中東情勢の悪化で印刷用インクなどの調達が不安定なためで、グレーの配色と文字で商品の違いを表すという。また、食品大手のカゴメは主力商品「カゴメトマトケチャップ」の一部商品のパッケージについて、下地に使用する白インクの調達が難しいとして、トマトのイラストを減らし、大部分を透明なものに変更するとしている。

色彩あふれる店内

普段、買い物をしているときには意識していなかったが、食料品や日用品がずらりと並ぶ店内は実に色彩にあふれている。飲料棚のジュースや缶ビール、冷凍食品やカップ麺、それぞれの商品のコンセプトや味を見た目で表現するパッケージには、製造に関わる人々の思いが込められている。特にロングセラー商品は、パッケージ自体に国民的愛着があるものも少なくない。それでも安定供給を優先し彩色を減らす判断は、話題性も相まって、むしろ新たな企業価値としての彩りを加えているようにも思える。

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政権への影響

しかし、先月中旬の急な企業判断に、政権の顔色はさえない。青天の霹靂とも言える企業独自の動きに、政府関係者は「生活に密接に関わる課題で対応が一歩遅れれば支持率に影響する」と警戒する。国民からの高い支持が政権の推進力となってきた高市早苗首相にとって、じわり広がる不安感が、やがて政権に黄色信号を灯す事態に発展することだけは何としても避けたいところだろう。

ナフサ供給の懸念

ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続き、国内でのナフサ供給に黒雲が垂れ込める中、高市首相は「ナフサ由来の化学製品の供給は、年を越えて継続できる」と繰り返し説明している。ナフサ総量は確保できているというが、一部の発注量増加によって流通の目詰まりが起きているという認識だ。しかし、NNNと読売新聞が5月に行った世論調査では、石油製品「ナフサ」をめぐる政府の説明に「納得できない」と答えた人が6割を超えた。政府には先行きの不透明さを払拭できるかが問われている。

言葉で彩る豊かさ

ところで、深夜のコンビニ店内の明かりの下であれこれ考えていると、日本語は風景や感情の機微を色で語る表現が実に多いことに気づかされる。当たり前の日常の風景から少しずつ色が減るならば、せめて言葉だけでも、時代の陰影や暮らしの色彩を描き出す豊かな表現を心にとどめていたい。

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