福島三名湯で温泉入浴サポートがスタート 介護福祉士が移動から入浴までを支援
福島市観光コンベンション協会は、飯坂温泉、土湯温泉、高湯温泉の「ふくしま三名湯」において、障害のある方や体が不自由な高齢者を対象とした「温泉入浴サポート」を新たに開始しました。この取り組みでは、介護福祉士が宿泊旅館に出張し、利用者の入浴を補助する形を取っており、福島県内の温泉地では初めての試みとして注目を集めています。
温泉旅行を諦めていた方々の切実な声に応えて
「不安で温泉旅行にはなかなか行けない」という、自力入浴が困難な方々からの切実な声が背景にあります。協会は「温泉を諦めてほしくない」との思いから、昨年から本格的な準備を進めてきました。出張介護の可能性を探る中で、福島市の社会福祉法人けやきの村の協力を得ることができ、事業の実現にこぎ着けました。
事業内容は、1人の利用者に対して2人の介護福祉士が同行し、移動から脱衣、入浴、着替えまでの一連の過程を補助します。利用者と同じ性別の介護福祉士が担当することで、安心感を高めています。安全な入浴を確保するため、事前に看護師が電話で身体状況や介護状況を確認し、状況に応じてシャワーチェアや浴槽内椅子、滑り止めマットなどの必要な福祉用具を準備します。
モニター入浴で笑顔が広がる 利用者と家族の喜びの声
14日には、飯坂温泉の吉川屋でモニター入浴が実施され、脳に難病がある69歳の男性が貸し切り風呂を利用しました。介護福祉士は自身も浴槽に座り、男性と同じ目線で「熱くないですか」などと何度も声をかけながらサポートしました。うれしそうに入浴する男性を見守った65歳の妻は「温泉は4年ぶりぐらいです。知人にも勧めたいです」と喜びを語り、担当した介護福祉士からも「利用された方の笑顔を見ることができて良かった」との声が上がりました。
吉川屋の畠正樹社長は「旅行のハードルが高く、諦めていた方にも楽しんでいただけます。情報発信を強化し、なるべく多くの笑顔に出会いたいです」と話し、事業の拡大に意欲を見せています。
利用方法と今後の展開 予約は1カ月前から必要
温泉入浴サポートは1回90分で、協会への1カ月前の予約が必要です。料金は1万5000円となっています。現在は、飯坂温泉の吉川屋と摺上亭大鳥、土湯温泉の山水荘とYUMORI ONSEN HOSTELで利用可能で、今後はさらなる拡大を目指しています。問い合わせは福島市観光案内所(電話024・531・6428)まで。
この取り組みは、高齢化社会が進む中で、誰もが温泉を楽しめる環境づくりを推進する重要な一歩として期待されています。利用者や家族の笑顔を増やすことで、地域の観光活性化にも貢献することが見込まれます。



