「ぬい活」ブーム拡大、ホテルや美術館が専用サービスで若者を笑顔に
「ぬい活」ブーム拡大、ホテルや美術館が専用サービス

若者の間で「ぬい」と呼ばれるぬいぐるみが、単なるおもちゃを超えてファッションアイテムとして定着しつつある。お気に入りのぬいぐるみをバッグに付けたり、外出先で一緒に写真を撮ったりする「ぬい活」がブームとなっており、この需要の高まりを受けて、ホテルや美術館などがぬいぐるみと一緒に楽しめる独自のプランを次々と展開している。

市場規模が10年で倍増、若者の癒やしとして定着

一般社団法人「日本玩具協会」の調査によると、2024年度のぬいぐるみの国内市場規模は450億円に達し、2014年度の223億円から約2倍に拡大した。この急成長は、若者を中心とした「ぬい活」の浸透が大きく影響している。

例えば、福岡市の繁華街・天神では、バッグにぬいぐるみを付けた多くの人々の姿が見られる。福岡県那珂川市に住む専門学校生の女性(19歳)は、手のひらサイズのぬいぐるみ3体をバッグに下げて楽しんでいる。彼女は淡いパステルカラーのものを選び、「ファッションを楽しむ感覚で、友達とおそろいにしている。疲れた時には触って癒やされている」と笑顔で語る。

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ホテルが専用パジャマを貸し出し、特別な時間を提供

市場の拡大に伴い、様々なサービスが登場している。ホテルチェーン「東横イン」(本社・東京)は、2025年6月からぬいぐるみ専用の小さなパジャマと布団を宿泊客に貸し出すプランを開始した。このサービスは全国60店舗で展開されており、大分市と那覇市の店舗も含まれている。さらに、2026年春には九州と山口県の全県で導入される予定だ。

パジャマは客用と同じ縦じま模様のデザインで、宿泊料金に300円を追加することで利用可能。このアイデアは、若い世代向けの取り組みを話し合う中で、社員の菊地真鈴さん(29歳)が提案した。菊地さん自身も旅先にぬいぐるみを持参する愛好家で、「イベントやコンサートに行くため、好きなアニメキャラクターやアイドルを模した『推し』のぬいぐるみと一緒に宿泊する人々から好評を集めている。推しのぬいとの特別な時間を過ごしてほしい」と語る。

美術館で「お泊まり会」、ぬいが美術品を鑑賞

一方、大分市の大分県立美術館では、2025年12月にぬいぐるみの「お泊まり会」を開催した。このイベントでは、持ち主から預かったぬいぐるみが、びょうぶや掛け軸などの美術品を鑑賞する様子を職員が撮影し、写真をプレゼントする。企画した職員の前田香菜子さん(38歳)は、東京の美術館の取り組みを参考にしたという。

定員20組に対して105組からの応募があり、人気の高さがうかがえる。前田さんは「ぬいぐるみを通じて、美術館に親しみを感じてもらえる機会を作りたかった」と意図を説明する。

九州を中心に広がる多様な取り組み

これらのサービスは、九州地域を起点に全国へ広がりを見せている。若者の間で「ぬい活」が単なる趣味からライフスタイルの一部として定着する中、ホテルや美術館などの事業者が、新たな市場を開拓する動きが活発化している。

専門家によれば、ぬいぐるみはストレス解消や自己表現の手段として、特に若い世代に支持されており、今後も関連サービスが増える可能性が高い。市場規模の拡大は、経済効果だけでなく、地域活性化や文化活動の促進にもつながると期待されている。

「ぬい活」ブームは、単なる一時的な流行ではなく、若者文化の一端として根付きつつある。ホテルや美術館の創意工夫が、多くの笑顔を生み出している。

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