天野山金剛寺で国宝秘仏が特別開帳 大日如来坐像など三尊を公開
行基が聖武天皇の勅願によって開いたと伝わる真言密教の名刹、天野山金剛寺(大阪府河内長野市)で2026年4月17日、国宝に指定されている秘仏の大日如来坐像、不動明王坐像、降三世明王坐像の特別開帳が行われました。関東地方をはじめ、全国各地から多くの参拝客が訪れ、貴重な仏像の前に深い祈りを捧げています。この特別開帳は18日まで実施されます。
参拝客が次々と金堂に 神々しいお顔に感動の声
開帳時間の午前9時を過ぎると、参拝客たちが次々と金堂に入場しました。中には深く頭を垂れて祈りを捧げる人々の姿も見られ、厳かな雰囲気に包まれています。寺側によれば、この3体の仏像は1組で増益、息災、滅罪などを祈願する尊勝曼荼羅を立体化したもので、他に類を見ない貴重な構成となっています。
横浜市緑区から友人を誘って訪れた梅沢妙子さん(78)は「神々しいお顔に感動しました。両脇のお像には今にも動き出しそうな迫力があった」と語り、その印象を熱く語りました。多くの参拝者から同様の感動の声が上がり、歴史的価値の高い仏像が人々の心を揺さぶっています。
鎌倉時代初期の作風を伝える貴重な仏像群
開帳された3体の仏像はいずれも寄せ木造りで、本尊の大日如来坐像は本体だけで高さ3メートルを超え、光背や台座を含めると6メートル以上にもなります。細部にこだわらず力強く肉付けされた造形は、鎌倉時代初期の作風を色濃く反映しており、美術史的にも高く評価されています。
特に不動明王坐像は、有名な仏師・快慶の弟子である行快の作であることが判明しており、歴史的・芸術的価値が極めて高い作品です。これらの仏像は通常は非公開の秘仏として大切に保管されており、特別な機会にしかその姿を拝むことができません。
5月には国宝の屏風も公開予定
天野山金剛寺では、5月3日から5日にかけて国宝「日月四季山水図屏風(六曲一双)」の公開も予定されています。こんもりとした山々が描かれた独創的な絵柄で、室町時代末期に制作された作品です。この屏風は密教儀式である灌頂に使用された仏具の一つとして伝えられており、拝観料は1,000円となっています。
今回の特別開帳は、貴重な文化財に触れる絶好の機会として、多くの人々の関心を集めています。歴史的遺産を後世に伝えるとともに、参拝者に深い感動を与える文化的イベントとして注目されています。



