松戸市がNECと連携、2026年にAI活用の「デジタル市役所」構築へ
千葉県松戸市は、2026年度を目標に、スマートフォンでさまざまな行政手続きが完結する「デジタル市役所」の実現を目指し、NECと連携して新たなシステム構築に乗り出す。この取り組みは、人工知能(AI)技術を駆使した革新的な市民サービスを提供するもので、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる。
デジタルまつど共創協定の締結と背景
松戸市とNECは、2026年2月に「デジタルまつど共創協定」を市役所で締結した。この協定は、市が2021年に策定した「市行政デジタル化ビジョン」に基づくもので、行政サービスの効率化と市民利便性の向上を目的としている。市によると、新システムの導入には約3年を要する見込みで、実証段階からシステム構築まで協力することで、迅速な導入とコスト削減を図る。
NEC側にとっても、このプロジェクトは全国の自治体向けサービス展開の参考事例となり、デジタル行政のモデルケースとして期待されている。
デジタルまつどポータルの運用開始
2026年度前半には、「デジタルまつどポータル」の運用が開始される予定だ。市民はスマートフォンの専用アプリを起動することで、オンライン上で申請や手続きを完結できるようになる。さらに、市民一人ひとりに最適化した情報を提供する機能の追加も検討されており、パーソナライズされたサービスが実現する見込み。
生成AIを活用した政策立案支援ツール
松戸市は、「EBPM(合理的根拠に基づく政策立案)支援分析ツール」の一部利用を開始する。このツールは、政府統計調査データ(e-Stat)を基に、生成AIが政策立案や効果分析の比較、指標の自動作成を行うサービスで、職員がさまざまな事業に活用できる。これにより、データ駆動型の行政運営が促進され、より効果的な政策決定が可能となる。
AIアバター受付サービスの実証実験
生成AIを活用した3Dモデルが庁内や業務内容を案内する「AIアバター(仮想キャラクター)受付サービス」の実証実験も行われる。窓口などに設置されたモニターで、AIキャラクターが来庁者と直接対話し、最適な案内や説明を提供する。音声や文字でのやりとりが可能で、外国人や障害のある方にも対応できるよう設計されており、多様な市民ニーズに応える。
今後の展望と市民サービスの向上
デジタル戦略課の黒沢聡史課長は、「今後、庁舎のコンパクト化が進んでも、市民サービスは低下させない方針です。仮庁舎や新庁舎では、必要な市民だけが来庁すれば済むようにしたい」と述べている。この取り組みにより、行政効率の向上と市民満足度の高まりが期待される。
松戸市のデジタル市役所構想は、AI技術を活用した先進的な行政改革の一例として、全国の自治体に影響を与える可能性が高い。2026年の実現に向け、着実な準備が進められている。



