静岡・伊豆沿岸の「ブダイ」食害問題、商品化で磯焼け対策へ 海藻復活を目指す取り組み
伊豆のブダイ食害、商品化で磯焼け対策 海藻復活へ

伊豆沿岸の磯焼け問題、ブダイの商品化で解決へ

静岡県伊豆沿岸では、植食性魚類であるブダイが海藻を大量に食い荒らす「磯焼け」が深刻化しています。海水温の上昇に伴い、暖かい水域に生息するブダイの個体数が増加し、従来豊富だった海藻「カジメ」が激減。これにより、カジメをエサとするアワビやサザエの水揚げもこの10年で大幅に減少しました。

漁師の採捕経費を賄うための商品力向上

この問題に対処するため、県水産・海洋技術研究所伊豆分場(下田市)は、ブダイの商品力向上に取り組んでいます。2022年から漁師による刺し網漁が始まり、夏場には月約500匹の水揚げがありましたが、鮮度の低下や独特の磯臭さから市場での評価が低く、採捕経費すら賄えない状況に陥っていました。

同研究所は2024年7月と同年12月から2025年1月にかけて、ブダイの脂質含量や鮮度指標、香気成分を分析。その結果、適切な冷蔵保存により鮮度が保たれることが判明しました。この知見を基に、研究所の鈴木勇己さん(39)は漁業関係者向けに試食会を開催。高鮮度のブダイの刺身は「臭みがない」と好評を博しました。

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販路拡大と価格上昇で持続可能な対策へ

さらに、食材としての魅力を発信するため、販路開拓アドバイザーと連携し、首都圏のフランス料理店や中華料理店など計7店舗への販路拡大に成功。これにより、ブダイの買い取り価格は1キロ当たり約200円から約500円前後まで上昇し、漁師の採捕活動経費を賄える見込みが高まっています。

鈴木さんは、「昆布締めにすると身が引き立ち、美味しく食べられます。海藻の復活のためにも、一度ブダイを試食してみてほしい」と語り、消費者への理解を求めています。将来的には、同様の食害問題に悩む他県の自治体との連携も視野に入れています。

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  • ブダイの特徴: 千葉県から九州の太平洋沿岸、トカラ列島、奄美大島、台湾に分布。体長30~40センチで、藻類を好んで食べる。
  • 磯焼けの影響: カジメの減少により、アワビやサザエの水揚げが激減。
  • 今後の展望: 商品化を通じた持続可能な生態系回復を目指す。