震災から15年、絆を深める児童たちのオンライン交流
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から15年を迎えた2026年3月、埼玉県加須市の種足(たなだれ)小学校と福島県双葉町の双葉南・北小学校がオンライン交流会を開催しました。この交流は、震災で生まれた絆を継承し、復興への思いを共有する貴重な機会となりました。
11年前の仮校舎訪問がきっかけで始まった交流
両校の交流は、2011年3月末に双葉町民が旧県立騎西高校に集団避難したことが始まりです。当時、一緒に避難した英国人の外国語指導助手が種足小学校でも教鞭を執り、縁が生まれました。その後、2015年度に種足小の児童が福島県いわき市に移った双葉南・北小の仮校舎を訪問し、交流が本格化。約11年間にわたり、相互訪問やオンラインでの交流が続いています。
手作り新聞で学ぶ福島の復興状況
3月16日に開催されたオンライン交流会には、種足小の5年生26人と、いわき市の仮校舎で学ぶ双葉南・北小の3~6年生12人が参加しました。種足小の児童たちは、原発事故で被害を受けた福島の地場産業、特にモモ農家や漁業の状況を調査し、手作り新聞にまとめて発表しました。
児童の一人は「福島では今でも魚に放射性物質がないかを調べ続けていて、こんなにも被害が長引くとは知らなかった」と報告。別の児童は「有名な福島のモモは風評被害や担い手不足に直面しているが、諦めずに努力する農家の方々は本当にすごい」と感想を述べました。
双葉町の児童が語る復興の現状と未来
双葉南・北小の児童たちは、地元の伝統行事「だるま市」や巨大だるまを引き合う祭りを紹介。復興の進捗状況を報告し、観光振興や農業の再建、公共施設整備の取り組みについて発表しました。これにより、福島の現状と未来への希望が伝えられました。
校長たちが語る交流の意義
双葉南・北小の石井智明校長は「事故が起きた原発を見学した。現在は防護服やマスクが不要になったが、処理水の放出に伴う風評被害の懸念は残る」と挨拶。種足小の青木久永校長は「双葉の児童たちから古里を思う気持ちと復興への熱意が強く伝わった。この交流は、震災で生まれた絆を忘れないための重要な取り組みだ」と語りました。
種足小を代表して中山蓮斗さん(11)は「発表の準備をたくさんしてくれてありがとう。双葉のことがよく分かりました。福島に友達がいると思うと嬉しく、また会いたいです」と感謝の言葉を述べ、交流の絆を深めました。
このオンライン交流会は、震災から15年を経てもなお続く復興への道のりを、次世代の児童たちが学び、共有する貴重な機会となりました。両校の交流は今後も継続され、震災の記憶と絆を未来へと引き継いでいくことが期待されています。



