かつて「陸の孤島」と呼ばれた須賀利町を船で巡るツアー
三重県尾鷲市の飛び地である須賀利町を訪れる特別なツアーが、5月30日に開催されます。この町は、1982年に県道が開通するまで「陸の孤島」として知られ、かつては船が唯一の交通手段でした。ツアーでは、その歴史を偲びながら、尾鷲港から巡航船と同じルートで須賀利町に渡り、漁村ならではの情緒あふれる風景や文化を体感できます。
漁業で栄えた町の伝統と風習
須賀利町は尾鷲湾を挟んで市街地と向き合う地区で、古くから漁業が盛んでした。荒天時に船が避難する「風待ち港」としても栄え、細い路地が張り巡らされ、瓦屋根の家がひしめく独特の景観が広がります。町内では、米寿を迎えた人の手形を墨で押した紙を玄関先に貼って長寿を祝うなど、昔ながらの風習が今も息づいています。
ツアーの内容と地域の課題
ツアーを企画したのは、昨年11月に地域おこし協力隊として須賀利町に移住した森栄真由さん(30)です。プログラムには、一番の高台にある普済寺での座禅体験、町内の散策、釣りなどが含まれ、昼食には地元で狩猟される鹿肉を使ったジビエ料理が提供されます。森栄さんは「海も山もきれいで、人が温かいのが須賀利の魅力」と語りますが、同時に人口約160人で高齢化率が90%近いという課題にも触れ、「空き家の増加など、地域の現状を理解し、一緒に考えてほしい」と訴えています。
前回の好評を受けて2回目を開催
先月初めて実施されたツアーには、定員26人を超える応募があり、「情緒ある風景がよい」などの好評を得ました。これを受けて、2回目の開催が決定しました。参加費は8500円で、先着27人を受け付けています。問い合わせや申し込みは尾鷲観光物産協会(0597・23・8261)まで。



