高知県出身の藤川球児監督が率いる阪神タイガースが球団初のセ・リーグ連覇を達成した。県内では多くのファンが喜びに沸き、前回優勝時に実施された記念パレードの経済波及効果が県の試算で約4億5000万円に上ったことから、関係者は来県者の増加などに期待を寄せている。
7時間半の観戦会、最後まで残った50人
秋季キャンプ地・安芸市では3日、安芸観光情報センターで応援観戦会が開かれた。阪神はデーゲームで広島に逆転負けしたため、観戦会はナイターの2位巨人戦まで続行。7時間半に及ぶ観戦で初のセ・リーグ連覇を見届けると、「六甲おろし」の合唱が夜空に響いた。
秋晴れの下集まった約100人は、午後2時の開始からビールを飲みながらリラックスムードだったが、先発の才木投手が3回4失点、6人目のドリス投手も振るわず、ファンは頭を抱えため息をついていた。
「勝って祝いたかったなあ」と苦笑い
それでも半数が残り、巨人の敗戦で転がり込んだ「連覇の瞬間」を見届けた。西内直彦市長がくす玉を割り、祝い酒を振る舞ったが、安芸商工会議所の山本諭会頭は「勝って祝いたかったなあ。静かな祝賀会になってしまったね」と苦笑いを浮かべていた。
藤川監督の高知商業高校時代の恩師である正木陽さん(65)は「前回の優勝から徹底的に分析されて厳しい戦いだったと思うが、よく辛抱して頑張った」と快挙を喜んだ。高校時代の藤川監督は「人見知りもするし、あまり争うのが好きではなかった」といい、バッテリーを組んでいた兄・順一さんのリードに首を振ることはほとんどなかったが、勉強熱心で投球フォームの研究などは欠かさなかったという。正木さんは「(監督として)勉強熱心さで自チームも相手チームもよく見て分析している。どんどん成長しており、特に投手の調整は見事だと思う」とたたえた。
前回パレードの経済効果は4億4685万円
今後はクライマックスシリーズなどに戦いの舞台が移るが、正木さんは「明るく元気な空気でチャレンジできるチームを作り上げてほしい。このまま日本一に向けてチーム一丸で勝ってもらいたい」と期待を膨らませた。
昨年11月10日、高知市内で開かれたパレードには藤川監督のほか、高知ファイティングドッグス出身の石井大智投手ら現役選手らが参加。2階建てバスに乗り、高知大丸前からひろめ市場前までの約500メートルを進んだ。県スポーツツーリズム課によると、平日開催にもかかわらずアーケードは観客で埋め尽くされ、推計の総観客数は1万4386人で、うち県外客は4345人。経済波及効果は4億4685万円と算出した。
県はスポーツを通じた県外からの入り込み客数の増加を目指しており、同課の山田哲也課長は「阪神には高知でキャンプをしてもらうなど、長年関係を築いてきており、優勝は喜ばしい。人気や注目度が高まることで、県内への入り込み客数増加も期待できる」と話している。