苫小牧で大津波想定の車両避難訓練、約300台参加し渋滞発生
苫小牧で大津波想定の車両避難訓練、約300台参加し渋滞

津波警報や注意報のたびに苫小牧市内の道路が渋滞する事態を受け、苫小牧署は15日、大津波警報を想定し、道警として初めて車両避難に絞り込んだ大規模訓練を行った。参加した約300台が想定を超す渋滞を引き起こし、仮に本番なら多数の犠牲者が出かねない車両避難の危うさが明らかになった。

訓練開始直後から渋滞

訓練は同日午前10時15分、同市に大津波警報が発表された想定で実施。市西部の住民のほか、トラックやタクシー業界も協力した。各車両は主に3地点に分散して待機し、開始後、各自で避難先の苫小牧西インターチェンジ駐車場を目指した。

海岸線からの距離が1キロ以内のときわ町の駐車場周辺の交差点では、他の地点からの車列も加わり、開始からまもなく渋滞が発生。青信号になっても1度に数台しか通過できない状況になった。普段なら5分程度で通過できるコースに約45分かかったケースもあり、津波の規模次第では巻き込まれる可能性があることが浮き彫りとなった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

一部容認の検討も

昨年来の津波警報・注意報を受け、苫小牧市は現在、徒歩避難の原則を踏まえつつ、例外的に沿岸部の高齢者ら一部については車両避難を容認する方向で検討を進めている。

終了後、同市の前田正志危機管理室長は「実際は1万台以上がこの道路に殺到する。最大想定の津波なら身動きがとれぬまま巻き込まれる」と指摘。その上で、「様々な事情で車を使う場合はできるだけ乗り合って止まらず、札幌、千歳方面へ突き抜けてほしい」と呼び掛けた。

同市美原町のパート従業員女性(46)は「渋滞に巻き込まれるくらいなら、徒歩か自転車かで避難する方が良いかもしれない。『身一つで』という気持ちでいないとダメだと思った」と話した。

GPSで動線を記録

同署は今回、参加車両に蛍光色のマグネットシートを付け、ヘリから動画を撮影して混雑状況などを観測。50台には全地球測位システム(GPS)を装着し、訓練開始から避難場所に到着するまでの動線を記録した。道警はこれらのデータを分析して災害時の避難誘導などに活用する方針で、道や市にもデータを共有するという。

苫小牧署の高橋勇吉署長は「訓練で交通量の変化などを疑似体験し、未然防止対策のヒントがえられた。関係機関と協力して、今できる対策を一つずつ前進させていきたい」と話した。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ