京都アニメーション放火殺人事件で命を奪われた渡邊美希子さん(当時35歳)の母・達子さん(76)と兄・勇さん(47)が11日、大津市の滋賀県警察学校で「想いと願い」と題して講演し、警察官を志す学生98人に被害者支援のあり方などについて語りかけた。
警察学校で初の講演
この講演は、学生に事件の被害者遺族に寄り添う大切さを知ってもらおうと同校が主催した。達子さんらは2021年4月から全国の警察や学校などで50回以上講演を行ってきたが、県警察学校での講演は初めてという。
美希子さんは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」などの作品で背景画の責任者を務め、アニメーターとして活躍していた。
警察官の対応に感謝
県内に住む達子さんは事件後、県警の担当者によるカウンセリングを受け、「気持ちを立て直せたのはカウンセリングのおかげだった」と振り返った。警察官が遺品の時計に付いたすすをきれいに拭き取り、達子さんに渡したことを紹介し、「遺族のつらい部分を取り払ってくれた」と感謝を語った。
勇さんはカウンセリングを勧められても、「自分が崩れていくのを認めたくなかった」とためらっていたことを明かした。その上で「被害者や遺族も様々な人がいる。それぞれに何が適切な対応なのか考えて接してほしい」と訴えた。
学生の決意
聴講した池田直生さん(23)は「被害者を出さないための防犯対策に力を入れ、被害者に誠実に寄り添う警察官を目指したい」と話した。



