火星の北半球を覆っていたとされる広大な海が、約32億年前まで残っていた可能性が高いことを、高知大などの研究チームが突き止めた。実験室の水槽で川が運ぶ砂の積もり方を調べ、火星に残る似た地形と比べた。将来、火星で生命の痕跡を探す場所を選ぶ手がかりにもなりそうだ。
約38億年前の海、消えた時期を特定
現在の火星は地表に水はないが、川が流れた跡などが各地で見つかっている。これまで、約38億年前には北部の低地に広大な海があり、その後、寒く乾燥した惑星へ変わったと考えられてきたが、海がいつ消えたのかは分かっていなかった。
研究チームは、川によって運ばれた砂の堆積の仕方を水槽で再現し、火星に残る地形と照合。その結果、海が約32億年前まで存在した可能性が高いと結論づけた。
生命探査への応用に期待
成果は10月1日、太陽系探査を扱う国際科学誌「npj Space Exploration」に掲載された(https://doi.org/10.1038/s44453-026-00056-7)。
研究チームは、21億年前以降の「若い湖」も発見しており、火星の水の歴史を解明する上で重要な手がかりとなる。生命の痕跡を探す場所を選ぶ際の参考になると期待される。