枚方市の里山保全団体「BAMBOO燦」代表の久保銀次郎さん(29)が、竹林整備で採れた幼竹を加工して味付けした「枚方メンマ」を販売している。「厄介者」とされる竹を資源として活用し、新たな価値を生み出すことで放置竹林問題の解決を目指す。
きっかけはカレー店での野菜栽培
久保さんが竹に興味を持ったのは、スパイスカレー店で働いていた6年ほど前。「自分たちが育てた野菜でカレーを作りたい」と野菜の栽培を始めたことがきっかけ。同市穂谷地区の畑を借りたが、隣に竹やぶがあり日当たりが悪く、伐採することに。竹を切り倒す作業に爽快感を覚え、のめり込んだという。
切った竹を燃やすだけでは「もったいない」と調べるうちに、放置竹林が全国的な問題であることを知った。竹林を手入れしないと山全体が竹だらけになり、竹の根は浅いため土砂災害のリスクもある。一方で地域は高齢化し、里山を手入れする担い手が不足している。久保さんは「僕ら若者の力で何とかしたい」と思い、カレー店のスタッフらと共に里山保全団体「BAMBOO燦」を発足させた。
竹の価値再評価で消費拡大を
竹の価値が再評価され消費が拡大すれば、放置竹林問題を解決できると考えている。これまで竹を粉砕して作った肥料で野菜を栽培しカレーの具にしたり、竹炭にして販売したりと活用方法を模索してきた。2024年に始めたメンマ作りもその一つだ。
春に幼竹を伐採して塩漬けにし、味付けしてメンマを作る。様々な味を試して知人に試食してもらい、評価が高かった5種類を商品化した。「スパイス塩メンマ」や「スパイスオイル漬メンマ」などカレー屋ならではの商品に加え、「燻製メンマクリームチーズ和え」といった変わり種もある。酒のあてやご飯のお供として、メンマそのものを味わってほしいとの思いを込めた。
今春、穂谷地区の竹林で収穫体験を開き、延べ約200人が参加。収穫量は初年度の1トンから約1.5トンに増えた。メンマを食べてもらうことが里山整備につながるとしている。
竹林整備体験会や新商品開発も
活動はメンマ作りだけではない。月1回程度、竹林整備の体験会を開催し、毎回10人ほどが参加して竹を伐採する。切りたての竹はほんのり甘く、竹を器にして飲むコーヒーは「本当に格別」という。花屋と協力して竹を花器にしたり、地元の府立高校の生徒と一緒にメンマの新商品を開発したりもしている。
「竹は無限に生まれてくる資源で、厄介者として放置するのではなく、味方につければ『最強』だと思います。枚方メンマを手にとって、背景にある放置竹林の問題を知ってほしい。そして、たくさんの人が里山に関心を持ち、訪れてくれればうれしいです」と久保さんは語る。
久保さんは枚方市出身で、高校時代の同級生と組んだバンド「THE S.O.S」のギタリストでもある。全国各地のライブ会場でCDと一緒に枚方メンマを販売し、バンドのファンが竹林整備の体験会に参加することもある。「メンマとステージの両方を楽しんでほしい」と話している。