岩手県大槌町は4日、東日本大震災で被災した旧民宿「あかぶ」(同町赤浜)の跡地を震災の伝承の場として整備すると発表した。2027年夏頃の完成を予定している。
遊覧船が屋根に乗り上げた旧民宿
旧民宿の屋根には、震災の津波で同県釜石市の遊覧船「はまゆり」(全長約27メートル、109総トン)が乗り上げた。船体が飛び出た状態でとどまり、落下する恐れがあったことから、震災から約2か月後に撤去された。
町は当初、伝承事業の一環として、船の復元などを目的とした寄付を募ったが、目標額の約4億5000万円に届かず断念。21年には旧民宿が解体された。現在はAR(拡張現実)アプリを活用し、被災直後の風景を様々な角度から見ることができる場として津波の脅威を伝えている。
整備内容と今後の予定
今回の整備では、跡地の1000平方メートルに津波の到達点を示す高さ約13メートルのポールを設置するほか、訪問者の休憩所や駐車場を設ける計画という。
平野公三町長は4日の定例記者会見で、「震災の記憶を伝える場所として今後も活用を進めていきたい」と話した。



