福岡県警は、目撃者の証言を基に容疑者の似顔絵を描く「似顔絵捜査官」の育成に向け、若手警察官向けの講習会を開いている。防犯カメラの普及で作成件数は減少傾向にある一方、現在でも事件解決につながるケースは多く、担当課は「優秀な描き手を増やしたい」と力を込める。
記者が挑戦、似顔絵作成のコツ
本紙記者(29)も講習会で作成のコツを学び、実際に描いてみた。モデルは、県警が職員数人の顔のパーツを集めて作った実在しない成人男性。▽細めの面長▽一重で切れ長の目▽分厚い唇――といった断片的な特徴のみを基に描いた。モデルと見比べると、思ったより似ていて驚いた。
県警鑑識課の梅崎大志郎・巡査部長(38)から「大事なのは、特徴を正確に聞き出して描き、『あの人に似ているかも?』と思わせること。目撃者の記憶に残るポイントが表現できている」と評価された。
デジタル時代にも効果
かつて主流だった「モンタージュ写真」は、実在の人物のパーツを合成して顔写真を作っていたが、今では廃れてしまった。リアル過ぎてわずかでも顔が違うと見逃されることが多かったためだ。一方、似顔絵はアナログな手法ではあるが、精緻過ぎない絵が、かえって目撃者の記憶を呼び起こすのだという。脈々と紡がれた技術が捜査の現場を支えていると、取材を通じて改めて感じた。



