11年ぶりの5連休となったシルバーウィークに、台風25号が直撃した。空の便を中心に交通機関が混乱し、予定変更を余儀なくされた観光客からはため息が漏れた。大雨被害が繰り返し起きている地域では、住民らが避難所で不安な夜を過ごした。
空の便を中心に交通機関が混乱
台風の影響で欠航が相次いだ羽田空港では、航空会社のカウンターに予約の変更や払い戻しを求める乗客が列を作った。
「前日から観光を楽しもうと思っていたのに、それどころではなくなった」。福岡市内で22日に行われるアイドルのライブを見に行くという東京都北区の専門学校生(19)は、困惑した様子で話した。搭乗予定の福岡便が欠航し、新幹線に変更するという。
英国から観光で訪れている女性(32)は、午後に搭乗する予定だった那覇行きの便が欠航となった。「今夜の宿泊先も確保しなければならず、困り果てている。明日には天候が回復してくれるよう祈っている」と話した。
日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)によると、21日の欠航は羽田発着の便を中心に両社で計277便に上り、計約4万2000人に影響した。
観光施設は営業時間短縮などの対応に追われる
神奈川県鎌倉市では、普段は観光客でにぎわうJR鎌倉駅周辺の小町通りなどが冠水した。一時、通行止めとなった鶴岡八幡宮に続く若宮大路は、水が最大で大人の腰の高さぐらいまで達し、川のように流れた。JR横須賀線の高架下では車1台がライトのあたりまで水没し、動けなくなっていた。
札幌市から観光に訪れた公務員女性(52)は「頭から足の先までびしょぬれになった。今日はあまり外出せずホテルに籠もることにします」と声を落とした。
東京都墨田区の東京スカイツリーは、午後10時半までの展望台の営業を午後5時で中止した。展望台の入り口付近には営業中止の看板が設置され、知らずに訪れた観光客が驚く様子も見られた。
家族5人で訪れた宮城県多賀城市の会社員の女性(41)は「東京らしいことをしたいと思ったのにショック」と肩を落とし、小学5年生の次女(10)も「展望台からの景色を見てみたかった」と残念そうだった。
茨城県大洗町の「アクアワールド県大洗水族館」も午後1時半までの短縮営業となった。午前中は駐車場が満車になるほど多くの人が訪れたが、担当者は「来館者やスタッフの安全を考慮した」と説明した。横浜市の「横浜アンパンマンこどもミュージアム」も、午後4時の最終入館時間を同1時に繰り上げた。
避難所で不安な夜
8月の千葉豪雨以降、大雨による冠水などが相次いでいる千葉県。県災害対策本部によると、21日午後1時現在、42市町の避難所に586世帯883人が避難している。
千葉市緑区の土気公民館には、午後6時時点で約10人が身を寄せた。家族6人で来たという会社員の男性(51)は千葉豪雨と9月7日の大雨に続き、3回目の避難だという。「激しい雨が続いているので安心して眠れない」と疲れ切った様子だった。
埼玉県越谷市では、13か所に避難所が開設され、午後5時時点で計39人が避難したという。おにぎりなどをクーラーボックスに入れて避難所を訪れた会社員の男性(59)は「家の前の道路がよく冠水するので、動けなくなる前に避難した」と話した。



