愛媛県警は今年度から、防犯カメラを新たに設置する事業者や自治組織などを対象に、設置費を補助し、効果的な設置場所や撮影範囲を警察官が助言する「防犯カメラ普及支援事業」を始めた。県内では刑法犯の認知件数が増える一方、検挙率が低下しており、カメラの普及で犯罪の抑止と検挙率の向上を図る。
補助の内容と対象
補助は設置費の2分の1で、1台当たり22万5000円を上限とする。1申請者につき最大3台まで。補助対象は、事業者や自治組織、PTAなどが設置する「街頭防犯カメラ」と「子ども見守りカメラ」で、公園や道路などの公共空間を撮影することが条件となる。警察官が申請後に現地を確認し、設置位置や撮影方向などを助言する。
現地確認の様子
6月下旬、松山市五明地区では、県警機動捜査分析課の警察官2人が、補助を申請した地元のまちづくり協議会の関係者らと、カメラの設置場所や撮影範囲を確認した。交差点や小学校の校門前など、設置予定の3か所を見て回り、撮影方向や使用する機材、今後の手続きなどを協議した。
このうち交差点では、住民が全体を広く映すことを希望したが、警察官は、撮影範囲を絞った方が人物の顔や車のナンバーを判別しやすいと助言した。デジタルカメラで場所を変えながら撮影し、画角を確かめた。
申請のきっかけと期待
五明地区まちづくり協議会副会長の矢野宏さんは、約2年前に地区内で高齢者が行方不明になったことを申請のきっかけに挙げ、「登下校する子どもだけでなく、認知症などで徘徊する高齢者の安全確保にもつながると思う」と話した。
県内の犯罪状況
県警によると、県内の刑法犯認知件数は2021年の5804件を底に増加傾向となり、25年は6947件だった。一方、検挙率は同期間に52.5%から45.4%に低下した。
県警機動捜査分析課の松村拓朗警部は「防犯カメラは何か起きた時だけでなく、犯人がカメラを認識することで犯罪の抑止効果も期待できる」と話している。



