簗和生農林水産相が高市早苗首相により事実上更迭され、政権発足1年を1週間後に控えて初の不祥事による閣僚辞任となった。近年の政権を振り返ると、最初の閣僚辞任は石破茂政権で発足約7カ月後、岸田文雄政権で約1年後、第2次安倍晋三政権で約1年10カ月後だった。
石破政権は7カ月、岸田政権は1年
石破政権では令和7年5月21日、江藤拓農水相が事実上更迭された。コメ価格が高騰するなか、同月18日に「コメは買ったことありません」などと発言。石破氏は20日の国会でも続投を支持したが、同日中に更迭方針に転じた。発言から3日後の辞任だった。
岸田政権では令和4年10月24日、山際大志郎経済再生担当相が事実上更迭された。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点を巡り、後追いの説明を重ねていた。10月3日の臨時国会召集前から交代論が浮上したが、本人は「大丈夫です。国会で説明します」などと続投に意欲を示していた。辞任は山際氏が担当する総合経済対策の取りまとめを4日後に控えた時期だった。
第2次安倍政権は1年10カ月
第2次安倍政権では平成26年10月20日、小渕優子経済産業相と松島みどり法相の2人が同日に辞任した。小渕氏は政治資金問題、松島氏は選挙区内でのうちわ配布が原因だった。
発足から平成26年9月の内閣改造まで617日間にわたり閣僚の交代がなかった第2次安倍政権だが、改造から約1カ月半後、安倍元首相が「女性の活躍」を掲げて登用した2人が退いた。令和2年9月から約1年続いた菅義偉政権では、不祥事や問題発言による閣僚辞任はなかった。
在任中の失言、即日更迭も
在任中の問題発言を受け、その日のうちに更迭が決まった例もある。平成29年4月25日、今村雅弘復興相は二階派のパーティーで、東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と発言した。今村氏を巡っては別の失言が当時問題視されており、派閥が名誉挽回の機会として用意した講演だった。
発言を受け、当時首相を務めていた安倍氏は同日中に更迭を決め、パーティー会場で謝罪した。菅義偉官房長官は今村氏に更迭を伝えた。平成31年4月10日には、桜田義孝五輪相が同僚議員を引き合いに「復興以上に大事だ」と発言し、安倍氏は約2時間で更迭を決めた。
簗氏は農水相就任前の発言が9月30日の週刊誌報道で表面化した。更迭まで2週間を要したことについて、与党幹部は「危機管理能力が無さ過ぎる」と漏らした。(奥原慎平)