中部電力の安井稔社長は8日、名古屋市東区の本店で就任後初の社長記者会見を開いた。会見では、原子力事業だけでなく事業運営そのものが危機的状況にあるとの認識を示し、組織風土の改革に乗り出す方針を明らかにした。
「独自の正当化理論」を批判
冒頭発言で安井社長は、「会社を本当に変えられなければ、原子力事業だけでなく事業運営を続けることすらできないという強い危機感を持っている」と述べた。その上で、社内の論理を優先する「独自の正当化理論」が事案の背景にあったと調査委員会から指摘されたことを明かし、「異論を言い合える風土がなく経営の責任だ」と語った。
改革の具体策として、11月から外部出身者を組織風土改革推進部長に配置することを発表。役職員の処分については、11月末を目標に手続きを進めるとした。
浜岡原発の再稼働は「信頼回復が第一」
質疑応答では、浜岡原子力発電所の再稼働について問われ、「信頼回復が第一だ。第三者に組織風土改革を評価してもらい、地元の理解を得てやっと次に進める。長い時間がかかる」と述べ、再稼働には時間がかかる見通しを示した。
基準地震動の再計算については「算出のやり方が固まれば、その手法でもう一回、算出する」と説明。再稼働の資格に関しては「(再稼働の)申請を取り下げたことが答えだ。資格がない状況からいかに理解を得るかという状況だ」と述べた。
処分対象と会長人事
処分対象については「処罰の視点で改めて調べている」と述べるにとどめた。空席となっている会長人事については「株主総会には決めなければならない。(外部登用も含めて)いろいろな選択肢を考えている」と語った。
これまでの経験をどう生かすかとの質問には、「火力発電所長時代、定期点検の短縮の必要性を毎朝、説いた。半年で約100回続けたら職場が変わったと言われた。今回も言い続けたい」と述べ、粘り強く改革を訴えていく考えを示した。