1988年の「BAD」ツアーでマイケル・ジャクソンがステージで着用した、ライトが仕込まれたジャケットが、大阪市の阪急うめだ本店で開かれた特別展覧会の内覧会で再び点灯した。赤と黒を基調としたジャケットには多数のライトが搭載されており、長らく保管されていたという。
マイケルの衣装を20年以上手がけたデザイナー、マイケル・ブッシュ氏は「88年以来の点灯だ」と説明。出席者たちは一斉にカメラを向けた。
マイケルとダイアナ元妃の衣装を集めた3日間限定の展覧会
この特別展覧会は、マイケル・ジャクソン(1958~2009)と英国のダイアナ元皇太子妃(1961~97)の衣装や愛用品を集めたもので、3日間だけ開催される。阪急百貨店によると、12月上旬にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されるオークションに約250点が出品される予定で、そのうち約50点を先行展示している。
マイケルのコレクションの中でも象徴的なのが、冒頭のジャケットだ。赤い生地に黒い装飾をあしらい、肩には光を反射するガラス製の装飾が広がり、搭載された無数のライトが発光する仕掛け。ブッシュ氏によると、かなり重いという。
制作秘話とムーンウォークのローファー
制作にあたってマイケルは「本当にできる? 光らせることができると思う?」と難しい注文をつけてきたという。完成した衣装を初めて着用した夜、公演を終えたマイケルは、ブッシュ氏の体を持ち上げるほど強く抱擁した。「彼は本当に興奮していた。なぜなら、私たちが実現させたことに本当に驚いたから」「そうやって彼は、私たちアーティスト全員に、常に挑戦を求めていたのです」とブッシュ氏は語る。
ほかにも、83年5月に米国のテレビ特番「モータウン25」で初めてムーンウォークを披露した際に履いたという黒いローファーも展示。米国の靴メーカー、フローシャイム製で、甲の部分には手縫いの装飾が施されている。88年のミュージックビデオ「スムーズ・クリミナル」で着用したクリーム色のスーツ(青いピンストライプが入った30年代風のデザイン)も並ぶ。
来場者の声とダイアナ元妃の日本ゆかりの一着
横浜市から訪れた自営業の男性(56)は、中学生の頃からマイケルのファンで、2009年に亡くなった後、「ゆかりのものが欲しい」とオークションに参加し、別の衣装なども入手したという。今回特に気になったのはスムーズ・クリミナルのスーツで、「とても思い入れのある一品です」と話した。
東京都から訪れたコレクターの男性(28)は「これほど年代的にバランスが取れて、かつ貴重なピースが出品されるオークションは貴重。実物を日本国内で事前に見られることもありがたい」と語る。約2千点に及ぶ関連グッズを所有しているというが、「ライトが点灯するジャケットなど、欲しい物があります」と真剣に品定めしていた。
ダイアナ元妃のコレクションには、ドレスやバッグ、靴、アクセサリーなどが並ぶ。なかには、日本とのゆかりが深い一着もある。1995年に来日したダイアナ元妃が、当時の天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)と面会した際に着用した黒いドレス・アンサンブルだ。英国のデザイナー、キャサリン・ウォーカーが手がけたもので、ウール製のロングコートにはベルベットの襟とカフスをあしらい、ノースリーブドレスを組み合わせている。
オークション主催者と阪急の狙い
オークションを主催するのは、米国のジュリアンズ・オークションズ。音楽や映画などの著名人ゆかりの品々を数多く扱ってきた。共同創業者のダレン・ジュリアン氏は「日本は常に重要な市場。過去20年間に何度も訪れ、素晴らしい顧客との関係を築いてきた」と話す。
阪急側にも、新たな顧客との接点をつくる狙いがある。阪急うめだ本店を傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリングの荒木直也社長は、「世界の顧客と直接つながり、多様なコンテンツを提供することで新たなビジネスを開拓するため、今年4月に専門チームを立ち上げた」と説明。今回の企画はその一環と位置づける。
特別展覧会「Hankyu&Julien'sPresents マイケル・ジャクソン&ダイアナ妃オークションエキシビジョン」は10日と11日は顧客向けに開催。12日は阪急阪神に関係するクレジットカード保有者やアプリ会員が予約のうえ入場可能だ。会場は阪急うめだ本店13階ダイヤモンドホール。