モーテルで警察沙汰、テキサスへ ヒスパニック票の行方を追う
モーテルで警察沙汰、テキサスへ ヒスパニック票の行方を追う

オクラホマ州西部のルート66沿いにある1泊59ドルのモーテルで早朝、隣室の女性客が騒ぎ始め、警察官が駆けつける騒ぎがあった。睡眠不足のままチェックアウトし、テキサス州北部へ向かった。

隣室の女性客が暴れ、警察官が出動

早朝、隣の部屋の大騒ぎで起こされた。手元のスマホを見ると、ちょうど6時。昨夜も騒いでいた隣室の女性客が廊下に出て、モーテル従業員に罵声を浴びせている。静かにするようにお願いした従業員に怒っているらしい。

やがて女性は大声を出しながらドアを激しく閉めたり、壁を蹴っ飛ばしたりし始めた。壁が薄いので振動まで伝わってくる。間もなく若い警察官がパトカーで駆けつけたが、ほとんど効果はなかった。廊下で目が合うと、私にまで「ジロジロみてんじゃねえ!」と怒鳴り散らした。

従業員は「日常茶飯事」と語る

8時半、赤い花束を手にした男性がピックアップトラックでやってきて、女性客はその助手席に乗り込み、どこかに消えた。トラックが視界から消えると、モーテル従業員の女性は「やったー」と歓声を上げた。

隣室にはネコのトイレ用の砂利が部屋中にぶちまけられ、ゴミ箱には10本以上の空のビール瓶が突っ込まれていた。従業員は壁にへこみがなく、ドアが開閉することを確認すると笑顔になった。「あら、思ったほどの損害じゃないわね」。前出の警察官は「日常茶飯事。毎晩どこかのモーテルに駆けつけてるよ」と話した。パキスタン出身の経営者の男性は「私が経営する三つのモーテルでは、ここが一番マシだ」と平然としていた。自室に戻ると、隣室のドア前の廊下に赤い花が捨てられていた。

テキサス州北部でヒスパニック票の行方を探る

モーテルを後にし、テキサス州北部に入ると、見渡す限りの荒野が広がる。点在する町を抜けると、道の両側から建物が消え、荒野に戻る繰り返しだ。遠くで巨大な風力発電用の風車がゆっくり回り、近くでは家畜の飲み水を地下からくみ上げる小さな風車が回る。原油をくみ上げるポンプも上下している。

ここで確かめたいことの一つが、ヒスパニック(ラティーノ)票の行方だ。2024年大統領選では、移民への厳しい姿勢を打ち出す共和党トランプ氏がヒスパニック系の支持を大きく伸ばしたとして話題になった。CNNによるテキサス州の出口調査では55%を得たと推計され、16年の34%から大きく増やした。ヒスパニック系には、もともと民主党支持の傾向が強いと言われてきた。トランプ支持は今も続いているのだろうか。民主党の地域本部のスタッフに話を聞くことにした。