スーパーやディスカウント店といった小売り各社が、低価格路線を強化している。円安や中東情勢の緊迫化などに伴う物価高で消費者の節約志向が一段と強まっているためだ。食品メーカーなどによる値上げが続く中、業態を転換したり、価格を「凍結」したりして呼び込みを図っている。
イオン九州、初の業態転換
福岡県志免町の商業施設内で7月28日、食品のディスカウント店「ザ・ビッグ」がオープンした。従来は、日用品や衣料品も扱う総合スーパー「イオン」として営業していたが、運営するイオン九州(福岡市)が業態を転換し、日用品などの割合を減らした。
冷凍食品を安く販売するコーナーなどを充実させた一方、取り扱う商品の種類を絞り込んだり、陳列を簡素化したりして販売コストを抑え、割安な価格で提供できる仕組みを整備した。
イオン九州が商業施設内のスーパーを「ザ・ビッグ」に転換したのは初めてで、今後、九州各地に広げていきたい考えだ。椎名孝夫・取締役常務執行役員は「グループのスケールメリット(規模効果)を生かして差別化したい」と話す。
ミスターマックスは価格凍結
ディスカウント店のミスターマックス・ホールディングス(HD、福岡市)が注力するのが、「価格凍結」だ。4~5月にはプライベートブランド商品の価格を据え置いたほか、今月5日までの1か月間は、食品など約3000品目で価格を維持した。同社は「メーカー側の値上げで物価が上がる中、安心して買い物できる環境を整えて生活を後押ししたい」とする。
小売り各社が低価格路線に力を入れるのは、価格に対する消費者のマインドが一段と敏感になっていることが背景にある。



