自転車観光がインバウンド呼び込みに貢献、交通空白地の周遊や消費増で注目
自転車観光がインバウンド呼び込みに貢献、交通空白地周遊で注目

自動車や鉄道と並ぶ観光手段として、自転車を活用する動きが広がっている。脱炭素化への貢献に加え、公共交通機関が少ない「交通空白」地域を周遊できる点が注目されている。政府は自転車周遊に適した道路を「ナショナルサイクルルート」に指定し、訪日外国人観光客(インバウンド)の誘致を通じた地域活性化や経済効果の拡大を図っている。

政府の第3次自転車活用推進計画

政府は今年5月、2030年度までの「第3次自転車活用推進計画」を閣議決定した。観光分野では、自転車で地域の景観や観光資源を楽しむ「サイクルツーリズム」を推進している。具体的には、観光地で主要な鉄道駅や空港から最終目的地までをつなぐ「2次交通」や、地域内を周遊する手段として自転車の活用を広げ、観光客の滞在や回遊を促す方針だ。

7月には国土交通省が福島県と鳥取県の道路をナショナルサイクルルートに追加指定し、海外へのアピールを強化している。

沖縄調査で判明した経済効果

自転車観光には、観光消費額が増えやすい利点がある。りゅうぎん総合研究所(那覇市)が2022~23年に沖縄県で実施した調査によると、サイクリストは閑散期に多く訪れ、1人当たりの観光消費額は一般的な国内観光客の1.12~1.25倍に及ぶ。滞在日数が長いため、宿泊や飲食の支出が伸びる傾向にある。

聖地「しまなみ海道」への注目

国内では既に自転車観光が人気の地域もある。特に「聖地」とされるのが、愛媛県と広島県の海峡をつなぐ「しまなみ海道」だ。自転車専用道が整備され、瀬戸内の景観を楽しめるとして人気を集めている。