適格請求書(インボイス)制度が導入されて10月1日で3年となった。制度の廃止などを求める団体「インボイス制度を考えるフリーランスの会」は、8~9月に実施したアンケート結果を公表し、取引先から一方的に不利な条件を強いられながら「泣き寝入り」している現状があると指摘した。
4人に1人が一方的な値下げや取引排除を経験
アンケートはオンラインで実施され、個人事業者らから2765件の回答を得た。制度開始以降、一方的な値下げや取引排除を経験したことがあるか尋ねたところ、24.9%が「ある」と回答。そのうち、不当な取引がないか監視する公正取引委員会などに申し立てた人は2.8%にとどまった。
同様のアンケートは昨年3~4月にも実施されており、その際も公取委に申し立てた割合は2.8%で同水準だった。
免税事業者に影響、激変緩和策の周知不足も
消費税は、モノやサービスを売った時に受け取る税額から、仕入れ時に支払った税額を差し引いて国に納める仕組み。控除にはインボイスの保存が必要となり、インボイスがないと控除できないため税負担が増える。
一方、インボイスは年間売り上げが1千万円以下の「免税事業者」は発行できない。免税事業者の多くは個人事業者で、インボイスを発行できないことで、税負担の増える取引先から値下げを強要されたり、取引を打ち切られたりする可能性が指摘されてきた。
激変緩和策として、国は免税事業者から仕入れた場合でも税額相当分の8割を控除できる仕組みを採り入れたが、10月からは7割に引き下げられ、取引先の負担が増えることになった。今回のアンケートでは、こうした制度変更について59.8%が「知らなかった」と回答しており、周知不足を指摘している。