一太郎に圧倒されたワード、エクセル人気でシェア獲得の舞台裏
一太郎に圧倒されたワード、エクセル人気でシェア獲得

1995年、マイクロソフトは「ウィンドウズ95」の発売を控え、日本市場で苦戦していたワープロソフト「ワード」のシェア拡大に乗り出した。当時、ワードは欧米では標準ソフトだったが、日本では「一太郎」に圧倒されていた。マイクロソフトは表計算ソフト「エクセル」の人気を背景に、パソコンメーカーへの初期搭載を働きかけ、シェアを奪還しようとした。

「一太郎部屋」で研究、ゲイツも警戒

1995年、米国本社を訪れた一太郎を開発・販売するジャストシステム創業者の浮川和宣氏と初子氏は、案内役の社員から「一太郎部屋」と呼ばれる部屋に案内された。そこには一太郎がインストールされた日本のパソコンが並び、棚には過去の一太郎のパッケージが置かれ、ホワイトボードには一太郎の特徴が書かれていた。社員は「一太郎を研究している『一太郎部屋』です」と説明し、二人の前で一太郎を実際に動かしてみせた。

浮川和宣氏は「ワードは世界では圧倒的に強いのに、日本ではどうしても一太郎に勝てない。この『一太郎部屋』で研究し、対抗しようとしているのだろう」と感じたという。

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シェア5割の一太郎、ワードは苦戦

当時の公正取引委員会の資料や報道によると、1994年度のワープロソフト市場で一太郎は約5割のシェアを占め首位だった。日本語変換性能に優れた一太郎がワードを圧倒していた。ビル・ゲイツ会長は「日本市場の唯一のライバルはジャストシステムの一太郎」と語っていた。

エクセルとワードの「抱き合わせ」戦略

マイクロソフトは1995年、パソコンメーカー各社に自社ソフトの初期搭載を働きかけた。ジャストシステムが先に初期搭載でシェアを拡大していたが、マイクロソフトはその手法を追い、エクセルとワードをセットで搭載するよう要請。公取委の資料によると、富士通は一太郎の搭載を希望したが、マイクロソフトは拒絶し、ワードの搭載を受け入れさせた。以降、NECなど10社以上のメーカーがエクセルとワードを初期搭載するようになった。

当時、エクセルは表計算ソフトでシェア首位だった。マイクロソフトはエクセル人気を武器に、ワードを「抱き合わせ」で販売することでシェアを獲得していった。

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