セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン)の業績が振るわない。2026年3〜5月期決算では、国内コンビニ事業の営業利益が4.2%減となった。一方、ローソンは純利益が25%増の206億円、ファミリーマートも3%増の218億円で過去最高益を更新している。
「未来へのインフラ投資」という説明
セブンは「未来へのインフラ投資に力を入れているからだ」と説明する声もあるが、現在、コンビニ大手3社はいずれも同様の取り組みを進めており、「王者の沈没」を感じざるを得ない。
ただし、そんなパッとしないセブンだが、一点だけ、かろうじて過去の成功をキープしているところがある。それは、伝家の宝刀「ドミナント戦略」に象徴される「拡大路線」である。
ドミナント戦略とは
ドミナント戦略とは、特定エリアに店舗を集中的に出店し、配送コストの削減と地域シェアの拡大を図る戦略だ。セブン創業の立役者である鈴木敏文氏は「競争力は突き詰めるとドミナント戦略に行き着く」と語っており、その大方針は現在の経営陣にも受け継がれている。
その証拠に、今期の決算資料でも「店舗ネットワークの強化」として2030年度までに1000店舗の純増を目指す方針を掲げており、2026年度も550店を出店し、200店の純増を計画している。
人口減少時代のドミナント戦略
しかし、2019年の「コンビニ24時間問題」から本連載で繰り返し述べてきたように、ドミナント戦略は人口が右肩上がりで増加し、商圏内の競争も限られていた高度経済成長期に誕生した戦略だ。毎年90万人規模で人口が減少し、商圏内に多種多様な「コンビニキラー」が存在する現在の日本では、メリットよりも、カニバリゼーションや長時間労働といったデメリットのほうが大きくなっている。
実際、ファミマは2019年、澤田貴司前社長が「ある一定の地域でドミナント(集中出店)して商品の配送効率を上げて、という時代は終わりました。収益の見通しの立たない出店はしません」と決別を宣言。ローソンは2020年の統合報告書で、竹増貞信社長が「ローソンは従来からドミナント戦略を採らず、本当に必要とされるマチに出店し」と語るなど、この戦略を採らない立場を示している。
そんな「時代遅れ」ともいうべき「ドミナント戦略」に固執しているセブンが成功を収める一方で、早々に「拡大路線」から見切りをつけたファミマやローソンが「過去最高益」と聞けば、やはりこの大方針に原因があるのではないかという疑念はどうしても拭えない。



