食品ロス削減や環境対策の優良事例を表彰する「食品産業もったいない大賞」で、大分市の「LogStyle」が審査委員長賞に選ばれた。同社は、飲食店運営や大分市産ニラの加工・製造販売を行っており、廃棄していたニラの茎を活用した万能調味料「必然のニラ醤油」の取り組みが評価された。
年間4.2トンの茎を有効活用、シリーズ累計10万本突破
「必然のニラ醤油」は、運営する辛麺屋の仕込みや大分市内の農家の選別作業で捨てていたニラの茎を細かく刻み、専用のしょうゆに漬け込んだ商品。2020年から本格的な製造を開始し、現在では年間約4.2トンの茎を有効活用している。シイタケやカボスなどの大分県産食材を使用した商品も含め、県内の道の駅や大分空港、大分市内の百貨店などで販売中だ。卵かけご飯や冷ややっこ、納豆など何にでも合うと好評で、シリーズ累計販売本数は10万本を超えた。
新入社員の提案がきっかけ、コロナ禍で商品化に着手
取り組みのきっかけは、2019年に新入社員から「相当もったいない」との指摘を受けたこと。当時、辛麺屋ではニラを束ねたテープの異物混入を防ぐため、茎から下を切って廃棄していたが、ニラの15%を捨てているのは食材としても費用面でも確かにもったいないと考え直した。天ぷらや炒め物は注文がなければ腐って食品ロスになるため、日持ちする方法を模索していたところ、同じ社員から「祖父母がニラしょうゆを作っていた」と提案され、市販のだししょうゆに漬けて作ったところ美味しく、店内で提供を開始した。
2020年に入ると新型コロナウイルスの影響で客足が遠のく一方、家庭で使われる調味料が注目された。そこで商品化を決意し、漬物製造業の許可を取得して工場も整備した。
受賞の受け止めと今後の展望
受賞について、時松秀豊史代表(56)は「最上位の農林水産大臣賞が欲しかったので悔しいが、大分市のニラの宣伝になる。おいしさや適正な価格も重要だが、認知度がないと売れない。より多くの人に知ってもらうきっかけの一つになる」と語る。
今後の展望については、2021年から東京や大阪での展示商談会でバイヤーにPRし、2024年からは米国やシンガポール、マレーシアなどの海外の日系スーパーでも試食販売を展開。時松代表は「食べてもらわないとおいしさは分からない。大分市内や県外の飲食店数店舗で扱ってもらっているが、潜在顧客はとても多い。もっと売れたら農家さんももっと喜ぶ。時間と金を使って先行投資し、大分のニラの消費拡大に全力で貢献していきたい」と意気込みを見せる。
時松代表は大分市出身。県立大分上野丘高校卒業後、建設業などに従事。趣味のサーフィンで宮崎県を訪れるたびに通っていた「元祖辛麺屋桝元」のフランチャイズ事業を2013年に開始し、現在は大分市と別府市で5店舗を運営している。大分市下郡北3の事務所には駄菓子屋を併設し、「必然のニラ醤油」や「ニラ塩ポテトチップス」なども販売している。