浜岡原発(静岡県)のデータ不正問題で引責辞任した社長に代わり、1日に就任した中部電力の安井稔社長が8日、会見を開いた。「かつてない厳しい目が向けられている。中部電は変わったと認めていただけるよう、先頭に立ち、やり遂げていく」と述べた。再発防止策として外部の目を生かすとし、会長職への登用も検討しているとした。
データ不正の背景と経営責任
浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、中部電は想定する最大の地震の揺れ「基準地震動」をめぐるデータを不正に操作していた。社外弁護士による調査委員会の報告書の受領を経て、9月末で社長と会長が辞任した。報告書では、不正の背景に「独自の正当化理論」があったと指摘された。
安井氏は火力発電所の所長などを経て、取締役としてアライアンス推進部長などを務めていた。データ不正について「異論や懸念を率直に言い合える風土が根付いていなかった。経営の責任と強く認識している」と説明。「心理的安全性が確保された土壌を作るため、明確に意識、行動を変えていく」と話した。
基準地震動の再算定と公表方針
そのうえで「まずは信頼回復。それがある程度ご理解いただける段階になれば、基準地震動の本当の数字を算出するステップがある」とした。
大手電力会社などでつくる原子力エネルギー協議会(ATENA)などが議論している地震動算出のガイドラインが完成すれば、それに従って計算し直すと言及。「みなさんも当然、知る権利がある」として、本来の基準地震動を公表する意向を示した。
不正を受けて取り下げた審査については、今後の対応が注目される。