タス通信によると、ロシアの公衆衛生当局は8日、東シベリア・イルクーツクのペスト対策研究所の女性職員が死亡し、ペスト感染が懸念された事案について、接触者全員に「健康上の異常は確認されなかった」と発表した。予防措置を完了したとしており、地元住民への感染拡大リスクはないと判断した模様だ。
約5000件の検査で病原菌検出されず
発表は「約5000件の検査から、危険な病原菌は検出されなかった」と説明した。当初、死亡した職員と接触した可能性のある約200人が隔離されたとの情報もあったが、検査対象となった接触者の人数や防疫措置の具体的な内容は明らかにされていない。
死因への言及なし、ペスト感染を否定
発表では、職員が死亡した事実や死因についての言及もなかった。「原因不明の肺炎」と診断された職員の検体からは「業務に関連する微生物は検出されなかった」として、ペスト感染を改めて否定するにとどまった。
米国が情報提供を要求、報道削除の動きも
危険な感染症の拡大が懸念される中、米国はさらなる情報提供を行うようロシアに求めていた。ロシア当局は7日、今回の事案に関する情報を世界保健機関(WHO)に報告したと明らかにしていた。
ただ、複数の独立系メディアによると、当初「ペストの疑いのある患者が死亡した」などと伝えたテレビや新聞の報道は、SNSやホームページから次々と削除されている。ウクライナに対する侵略の長期化を背景にプーチン政権は人心の動揺を警戒し、報道統制を敷いている可能性がある。