外資系生命保険大手のプルデンシャル生命保険は8日、社員らによる金銭詐取問題に関する第三者委員会の調査報告書を公表した。営業成績を過度に重視する企業風土が不正の温床になったと結論づけ、「社会的責任は重大」と指摘した。
調査結果によると、被害者は794人、被害申告額は約61.6億円に上る。会社側が公表していた約700人、約39億円から拡大する可能性がある。
処分と再発防止策
得丸博充社長ら役員3人は月額報酬の30%を3か月間、自主返納する。関与した社員64人を懲戒解雇・諭旨解雇とするなど、計157人を処分した。
得丸氏は8日の記者会見で「ご心配とご迷惑をおかけしていること改めて深くお詫びを申し上げる。全社を挙げて改革に取り組む」と謝罪した。
再発防止策として、営業社員の報酬制度を見直し、2027年から最低保証給を導入する。新規契約に伴う報酬の支給期間を4年から7年に延ばして顧客との長期的な関係構築を促すほか、支社を統廃合して管理監督を強化する。
不正の背景と金融庁の対応
報告書によると、不正は1992~2025年の長期間続いた可能性がある。営業成績を過度に重視する価値観が組織内で法令順守の軽視を招いたと分析。営業社員と顧客の関係が親密になって取引が「個人化」「密室化」し、不正の発見を難しくしたと指摘した。
金融庁は金銭搾取問題を受け、10月中にも同社に3か月程度の一部業務停止命令と業務改善命令を出す方向で調整している。親会社にも業務改善命令を出す方針だ。
得丸社長の記者会見での主な発言
――報告書では、過去の不祥事の際に抜本的な対策が講じられなかった点が指摘されている。
「過去にビジネスモデルを見直すタスクフォースが設置された際、局所的な対応にとどまっていた部分については、重く受け止めている。カルチャー変革にまで踏み込んだ改革を進めていく必要がある」
――経営責任を取って辞任する考えは。
「再発防止策を確実に実行し、会社の行動変容につなげるところに責任を持ちたい。その時に辞職も含めて判断したい」
――過去の経営陣に対する責任追及の考えは。
「今回の特別調査委員会の調査結果と、外部の専門家の意見をいただきながら過去の経営陣の責任を検証・確認したい」
――新規契約の販売再開のめどは。
「自粛解除の判断については、現在決定しているものはない。まずは、被害にあったお客様への補償を完了しなければならない。加えて、不正を起こした社員への処分も終わらせないといけない」