政府は5日、来年4月から食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を閣議決定する。近年の減税を求める声が高まる背景には何があるのか。メディア社会学が専門の伊藤昌亮・成蹊大教授に聞いた。
「減税」が政治の中心に
財務省解体デモの「減税」の訴えをまともに考える人は少なかった。だが結果として、減税という言葉は政治の中心に押し上げられていく。各政党が減税を語るようになり、「取られるお金を減らす」という訴えが社会的な力を持った。
背景には、自営業やフリーター、非正規など中間層に属しながらも、比較的所得の低い人たちの存在がある。生活保護を受給するほど低所得ではなく、高齢者や子育て世帯のように給付の対象にもなりにくい。伊藤教授は「あいまいな弱者」と呼ぶ。
物価高に苦しむ人々
こうした人たちは物価高に特に苦しんでいる。労働組合があるような大企業の従業員とは異なり、賃上げの恩恵を受けにくい立場にある。



