11月5日の米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏の勝利が確実視される中、暗号資産(仮想通貨)市場が急騰している。代表的な暗号資産であるビットコインは、日本時間6日午後、一時約7万5000ドル(約1140万円)と過去最高値を更新した。前日比で約10%の上昇となる。
トランプ氏の暗号資産に対する姿勢
トランプ氏は選挙戦を通じて、暗号資産に対して好意的な姿勢を示してきた。同氏は暗号資産の規制緩和を公約に掲げ、米国を「暗号資産の首都」にすることを宣言。現政権の規制強化路線からの転換が期待されている。また、トランプ氏は自身のNFT(非代替性トークン)プロジェクトを立ち上げるなど、業界との結びつきも強い。
市場関係者は「トランプ氏の勝利で、米証券取引委員会(SEC)の暗号資産に対する厳しい姿勢が緩和される可能性がある」と指摘。SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、バイデン政権下で暗号資産取引所への規制を強化してきたが、新政権では更迭される可能性が取り沙汰されている。
市場全体に波及
ビットコインの急騰に連動し、他の暗号資産も大幅に上昇。イーサリアムは約8%高の約2600ドル、リップル(XRP)は約12%高の約0.65ドルで推移している。暗号資産全体の時価総額は約2兆5000億ドルに拡大し、24時間で約2000億ドル増加した。
暗号資産取引所のコインベースでは、取引量が通常の3倍以上に急増。システム障害が発生するなど、投資家の関心の高さがうかがえる。一方、日本の暗号資産取引所でもビットコインの取引が活発化しており、ビットフライヤーでは約1100万円と高値で推移している。
専門家の見解
暗号資産アナリストのマティ・グリーンスパン氏は「トランプ氏の勝利は、暗号資産にとって長期的な追い風となる。特に規制環境の改善と機関投資家の参入促進が期待される」とコメント。また、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の関係者は「日本の規制環境にも影響を与える可能性がある。米国の動きを注視する必要がある」と述べている。
ただし、トランプ氏の経済政策全体としては、財政赤字の拡大やインフレ再燃への懸念もあり、暗号資産市場が持続的に上昇するかは不透明だ。一部のエコノミストは「トランプ氏の関税政策や移民政策が経済に悪影響を及ぼせば、リスク資産である暗号資産にも売り圧力がかかる」と警告している。
今後の展望
市場は今後、トランプ新政権の具体的な政策実行を注視する。特に、暗号資産の包括的な規制法案の成立や、SEC委員長の人事、中央銀行デジタル通貨(CBDC)への姿勢などが焦点となる。ビットコインは今年初めに米国で上場されたビットコイン現物ETFへの資金流入もあり、年初来で約80%上昇。今回の選挙結果が更なる上昇のきっかけとなるか、注目される。



