8日午前の東京外国為替市場で、円相場が一時1ドル=152円台後半まで上昇し、2月以来約半年ぶりの円高水準となった。前日午後5時から2円以上円高・ドル安が進行した。
円高の背景と市場の反応
円買いの動きが強まっている背景には、日本銀行が利上げのペースを加速させるとの見方がある。市場では、円安局面が転換点を迎えたとの見方も出ている。
7日のロンドン外国為替市場では、中東情勢の緊張緩和への期待感などから円買いが進み、円相場は一時154円台前半まで急騰した。4月以降の一連の為替介入でも破れなかった「155円の壁」を突破した。8日の東京市場でも円買い・ドル売りの流れが継続している。
投機筋の動きと他通貨への波及
市場では、7日夕以降に想定以上に進行した円買いを受け、投機筋が円売りポジションの解消を狙っていることも、急速な円高に拍車をかけているとの見方が出ている。円はドル以外の通貨に対しても上昇しており、対ユーロでも前日から2円以上円高・ユーロ安の1ユーロ=177円台での取引となっている。
対ドルの円相場は、積極的な財政政策と金融緩和を志向する高市政権の発足や、2月末に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けた「有事のドル買い」などで円安・ドル高傾向が続き、1ドル=160円前後で推移していた。
日銀の利上げ観測と今後の見通し
今回、155円台を突破して円高が進んでいるのは、日米が協調して円安是正に動き、日銀が利上げのペースを加速させるとの観測が強まっているためだ。ベッセント米財務長官は8月30日、日銀の植田和男総裁との会談で円安是正に向けた政策を「強く支持する」と発言した。
市場では、ベッセント氏の発言が後押しとなり、日銀が9月17、18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決めるとの見方が強まっている。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)については、15、16日の連邦公開市場委員会(FOMC)での判断が「利上げ」か「政策の現状維持」かで見方が割れている。
FRBの利上げは円安圧力となるが、現在の市場ではその影響力は限定的だ。市場関係者の間では、「あまりにも速い動きで、円買いが円買いを呼んでいる状況だ」(三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト)との指摘が出ている。



