京都大学と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は20日、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)の次世代施設稼働に合わせ、水素エネルギー分野に特化した世界初の専用ビームライン(研究設備)を整備すると発表した。
次世代施設「スプリング8-Ⅱ」の計画
このビームラインは、令和11年度に予定される次世代施設「スプリング8-Ⅱ」の稼働に合わせて設置される。スプリング8-Ⅱは放射光の明るさ(輝度)が現行の約100倍となり、世界最高レベルの性能を実現する。
研究開発の飛躍的加速
新たなビームラインでは、燃料電池などを動作させながら複数の最先端計測を同時に実施できる。解析速度は従来の約30倍に向上し、研究開発の飛躍的な加速が見込まれる。
スプリング8は強力なX線により物質の構造や変化を原子レベルで解析できる施設で、約30年にわたり多様な研究分野で活用されてきた。昨年のノーベル化学賞受賞者で京都大学の北川進特別教授による「金属有機構造体(MOF)」の研究開発にも寄与した。
京都市内で同日、NEDOの担当者と記者会見した北川氏は「京大の強みである基礎科学研究を、水素エネルギー分野での産官学共創につなげたい」と話した。



