プーチン露大統領による択捉島訪問を受け、日露経済協力の象徴であるロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に注目が集まっている。日本の商社が一部権益を持つ同事業は、エネルギー調達の多角化に重要な役割を担っており、ウクライナ侵略後の対露制裁下でも権益が維持されてきた。
政府関係者の見解
政府関係者は北方領土訪問への対応とは「別の話だ」として、同事業からの撤退には否定的な立場を示している。日本はサハリン2を通じて液化天然ガス(LNG)を輸入量全体の1割近く調達しており、国別ではロシアが3番目に多い輸入先となっている。
エネルギー安定供給への影響
2022年のウクライナ侵略以降、対露制裁を進める米国から輸入停止を求められた日本は、段階的に依存度を減らしているものの、エネルギー安定供給の観点から権益を維持。米国も一定の理解を示し、サハリン2を制裁適用外としている。
LNGの調達は原油と比べて多角化が進んでいるが、中東情勢悪化に伴う供給不安の軽減にロシア産が果たす役割は小さくない。最大のメリットはサハリン~日本間の距離の近さで、所要日数が約3日と輸送コストの抑制につながっている。LNGを燃料とする火力発電が主力電源の日本では、ロシア産の輸入が途絶えれば電気料金の上昇に拍車がかかる恐れもある。



