Windows Latestは2026年9月29日(現地時間)、WindowsがUSBストレージを取り外した後も、その機器に関する情報をレジストリなどへ保持する理由を伝えた。SNSでは「Windowsは接続したすべてのUSB機器を永久に記録している」といった投稿が拡散している。この主張に誤りがあるわけではないが、同メディアの記者は過度に不安を煽っていると述べ、内容を自分で確認する方法と削除した場合の影響を解説した。
WindowsがUSBストレージを記憶する仕組み
Microsoftのプレミアフィールドエンジニアを務めるJason Walker氏は2012年、USBストレージをPCに接続するとレジストリの「USBSTOR」キーが作成され、オペレーティングシステムがそのストレージを扱うために必要な情報を保存すると説明した。保存場所は「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\USBSTOR」とされる。
Microsoftの資料でも、USBストレージを短時間接続しただけでWindowsはレジストリー情報を作成すると説明している。これは再接続時に速やかに認識を行えるよう、デバイスの構成情報を保持する必要があるためだ。
しかし、Windowsはこれら機器を取り外した後も、自動でクリーンアップを実行しない。一時的に外されたのか、恒久的に使われなくなったのかを判断できないためで、資料ではクリーンアップの責任がデバイスを扱うアプリにあると説明している。
非存在デバイスの確認方法と残る情報
このような物理的に取り外された後もレジストリー情報が残っている機器は「non-present devices(非存在デバイス)」や「phantom devices(ファントムデバイス)」と呼ばれる。デバイスマネージャーの「表示」から「非表示のデバイスの表示」を選ぶと確認できる。
USBSTORがすべてのUSB機器を記録するわけではない。主にUsbstor.sysで扱われるUSB接続の大容量記憶装置が対象であり、キーボード、Webカメラ、マウス、マイクなどは含まれない。なお、接続したデバイスに関する情報がOS側に残る仕組み自体はWindows固有のものではない。
Windowsが保持するUSBドライブ情報には、「SanDisk Ultra USB Device」のような機器名や、デバイス情報を元に生成されたハードウェア識別子、デバイスインスタンス識別子などがある。機器によってはシリアル番号や位置情報、初回セットアップ日時、最後に接続および取り外した日時、割り当てられたドライブ文字などが含まれる場合がある。一方、USBSTORにはドライブ内のファイル一覧やデータは含まれない。
実際の内容はPowerShellを開き、次のコマンドを入力することで確認できる。
reg query "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\USBSTOR" /s
このコマンドはUSBSTOR以下のレジストリエントリーをすべて出力するが、情報が多くそのままでは内容を把握しにくい。そこでWindows Latestは、より見やすくまとめた次のコマンドを紹介した。
Get-PnpDevice -Class DiskDrive | Where-Object { $_.InstanceId -like 'USBSTOR\*' } | Format-List Status, FriendlyName, InstanceIdこちらは接続中のデバイスに加え、エラーの発生したデバイスや非存在デバイスの情報も表示する。StatusがOKであれば接続され正常に稼働しており、Unknownであれば非存在デバイスの可能性が高いことになる。
非存在デバイスのタイムスタンプを表示するには、InstanceIdをコピーして次のコマンドを実行する。
Get-PnpDeviceProperty -InstanceId 'ここをInstanceIdで差し替える' | Where-Object { $_.KeyName -match '_(FirstInstallDate|InstallDate|LastArrivalDate|LastRemovalDate)$' } | Format-List KeyName, Dataこのコマンドを実行すると複数の日付情報が表示される。FirstInstallDateは初回インストール日時、InstallDateはドライバーの最終更新日時、LastArrivalDateは最後に接続した日時、LastRemovalDateは最後に取り外した日時を示す。
USBストレージ情報の削除方法とリスク
不要になったUSBストレージのデバイス情報は、デバイスマネージャーから削除できる。デバイスマネージャーで「非表示のデバイスの表示」を選択し、対象デバイスを右クリック→「デバイスのアンインストール」をクリックするだけでよい。非存在デバイスはアイコンがグレー表示になっており区別しやすい。
企業のIT管理者は、非存在デバイスを一括削除する「DevNodeClean」ユーティリティが利用できる。なお、レジストリキーの「USBSTOR」を直接削除してはならない。Windows Latestによると、Windowsの動作に重大な問題を引き起こす可能性がある。
USBSTORには、USBストレージ内のファイル一覧や保存データそのものは記録されない。ストレージ内のファイル一覧やデータの移動記録などは保管されておらず、USBSTORの情報だけからデバイスを接続した人物を直接特定できるわけでもない。USBSTORに情報が残っていることだけをもって、データ流出のリスクがあると捉える必要はなさそうだ。