TikTok、報酬プログラム初公開 最大月額32万円、半年で車購入300人以上
TikTok報酬初公開 最大月額32万円、半年で車購入300人

動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は9月30日、東京都目黒区で人気の動画投稿者ら約450人を集めたイベント「TikTok Creator Summit Japan 2026」を開催した。動画クリエーターが得られる報酬プログラムの詳細や金額規模を初めて公の場で明らかにした。

最大月額2000ドルの固定報酬

質や専門性が高い動画の投稿者に対しては、最大月額2000ドル(約32万円)の固定報酬を支払い、撮影機材や制作費への投資を促す。担当者は「半年で、車を購入できるレベルまで稼いだクリエーターは300人以上いる」と述べた。

報酬プログラム「Specialized Rewards Program」は招待制。1分以上の動画に対し、月額500ドル(約8万円)の標準・追加報酬に加え、専門性の高いハイクオリティな動画には1500ドル(約24万円)の特別報酬が設定されている。

質の高い動画の定義と収益差

イベントでは、TikTokでクリエーター支援を担当する早川真翔氏が登壇し、「ハイクオリティのコンテンツを投稿することで、まとまった収益につながる。収益を次のコンテンツ制作に生かし、クリエーターが継続的、持続的に活動できるように報酬プログラムを提供している」と話した。

「質の高い動画」は、スキル、企画、撮影、編集の4項目で定義される。例えば、撮影においては、3アングル以上の異なる画角、スロー撮影などの撮影技法、クリアな映像・音などと具体的に定めた。膨大な動画視聴データを分析すると、質の高い動画が利用者に好まれる傾向があったという。

早川氏は「質の高い動画を投稿するクリエーターは、そうでない動画投稿者に比べて10倍の収益差がある」と述べた。

クリエーター囲い込みに注力

TikTokは、昨年開始した通販機能「TikTok Shop」でも投稿者に報酬の仕組みを用意したり、人気投稿者をノウハウ共有のためのオープンチャットに招待したりと、囲い込みに注力する。人気のクリエーターは、YouTubeなどにも並行して動画を投稿するケースが多いためだ。

TikTokと類似する動画サービス「Vine(バイン)」は一時、世界的に人気を集めたが、投稿者への還元が十分ではなく、他のプラットフォームへの流出につながったとされる(Vineはサービスを終了)。

くっきー!さんらがトークセッション

イベントでは、漫才コンビ「野性爆弾」のくっきー!さんや人気のTikTokクリエーター、大手広告代理店の担当者らによるトークセッションも行われた。絵などのアーティストとしても知られるくっきー!さんは「圧倒的になろうとしたら、本当に人がやっていないことを探すしかない」と指摘。創作活動でのこだわりについては、「自分の中でカッコ悪いと思うことはやらない」と明かした。

パネルディスカッションに登壇した、けんご📚小説紹介さんは「TikTokに投稿する目的は、バズることではなく、僕の動画を見て、小説を購入してもらうことがゴール。小説に興味がない人に目線を合わせた企画設計を一番意識している」と話した。けんごさんによる動画での紹介をきっかけに、小説が重版されたり、映画化につながったりしたという。

ジオラマを制作する動画が評判のにっしーさんは、1日にフォロワーが10万人増えることもあったといい「視聴者さんに楽しんでもらいたい、喜んでもらいたい。これが一番大事。忘れるとダメで、独りよがりの動画になってしまう」と振り返った。

会場には、人気の動画投稿者にスマートフォンの画面を見せて相談できるブースも設けられた。長い行列ができ、相談に訪れた人は「チャンネルを伸ばすにはどうしたらいいか」「報酬プログラムの対象にならないときがある」といった質問をぶつけた。

83万人のフォロワーを持つ教育系動画の投稿者、あきとんとん🤔さんも多数の来場者の相談に応じた。「(相談者には)明確にアドバイスできることがある。惜しい人たちが多い。自分が作った動画をハイクオリティと思い、他の人と比較しないことも多く、いい機会になっていると思う」と話していた。