ビール価格のカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は7日、大手メーカー4社を家宅捜索した。裁判所の令状を取り、強制調査に踏み切った。業界団体の会議室で開かれた非公式な会合の存在が、調査の焦点となっている。
銀座に集うビール大手幹部の非公式会議
会場は東京・銀座の中心部から外れた一角にあるビルの一室。1953年設立の業界団体「ビール酒造組合」の事務所内の会議室だ。業界内で「ビ組(くみ)」の略称で通っており、設立の目的の一つに「公正な競争を自ら確保する」ことを掲げる。
この会議は毎月第1週の木曜日に開かれることから「一木会(いちもくかい)」と呼ばれ、営業担当の課長クラスが集まった。業界を取り巻くさまざまな課題などを話し合った後、「非公式」の議題に移ったとされる。
値上げの背景に協議の疑い
2024年10~12月に、ビールメーカー大手4社がビールなどの値上げを相次いで発表した。各社のリリースには「企業努力だけでは各種のコストの上昇分を吸収することは難しい状況だ」といった理由が記されていた。
発表の時期こそ数週間ごとにずれるが、値上げのタイミングは2025年4月1日。原材料価格や物流費の高騰など値上げの背景として挙げられていた事情も同じだった。
関係者によると、4社はこの値上げに向け、2023年後半~24年初めごろから協議を重ねてきたとされる。
メーカーから卸売業者への出荷価格が焦点
公正取引委員会は、メーカーから卸売業者に出荷する段階での価格調整の疑いを視野に、強制調査に踏み切った。業界団体の会合が価格調整の場として使われていた可能性が、30年越しの追跡の末に浮上している。