夢の続きに立つメッシとアルゼンチン
サッカーのワールドカップ(W杯)は不思議な巡り合わせに満ちている。4年前からの夢の続きに身を置くリオネル・メッシとアルゼンチン代表がそれを物語る。39歳の英雄とその仲間たちは、W杯史上過去2度しか達成されていない連覇に手をかけている。間もなく100年を迎えるW杯の歴史で、連覇を成し遂げたのは1934年と1938年のイタリア、そして1958年と1962年のブラジルだけだ。
マラドーナの悲嘆から36年
歴史をたどると、もう一人のアルゼンチンの英雄、ディエゴ・マラドーナ(2020年死去)の存在が浮かび上がる。1986年メキシコ大会でスーパーゴールを決め、アルゼンチンを優勝に導いたマラドーナ。しかし、その後の1990年イタリア大会では決勝で西ドイツに敗れ、1994年米国大会では薬物問題で途中退場するなど、悲嘆に彩られたW杯人生を送った。あれから36年、今度はメッシがマラドーナの果たせなかった連覇という偉業に挑む。
メッシが挑む偉業の可能性
2022年カタールW杯で優勝したアルゼンチンは、2026年北中米W杯でも優勝候補の一角と見られている。メッシは39歳となるが、その技術と経験は衰えを知らず、チームの中心として活躍が期待される。連覇が難しい理由は、優勝チームが慢心しやすいこと、他国が研究を重ねて対策を練ること、そして大会の過酷な日程と選手の疲労である。しかし、メッシを中心としたアルゼンチンの結束力と戦術の柔軟性は、これらの壁を乗り越える可能性を秘めている。
潮智史記者(スポーツ部)は、30年以上にわたってサッカーを取材してきた独自の視点から、このコラムを連載でお届けしている。W杯の歴史に刻まれる新たなドラマが、今まさに始まろうとしている。



