サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会の準決勝で、アルゼンチンはイングランドを2-1で下し、連覇に王手をかけた。起死回生の同点ゴールを決めたのは、25歳のMFエンソ・フェルナンデスだ。試合後、彼は39歳のリオネル・メッシを肩車し、チームメートと共に勝利を祝った。
フェルナンデスとメッシの10年にわたる絆
この光景には、フェルナンデスが10年前にメッシに宛てた「手紙」のエピソードが重なる。2016年、アルゼンチンが南米選手権決勝で敗れた後、メッシは代表引退を表明。「私にとっての代表は終わった」と語った。当時15歳だったフェルナンデスは、自身のSNSにメッシへの手紙を投稿した。
「どうすれば、あなたを説得できるでしょうか?」から始まるその文には、憧れのヒーローに引退撤回を願う思いが綴られていた。「楽しむために代表に残ってください」「あなたのプレーを見ることが最大の誇りです」と。
少年は成長し、代表でメッシと共にプレーする夢を叶えた。2022年のカタール大会では「ベストヤングプレーヤー賞」を受賞し、メッシの悲願だった優勝に貢献した。
10年後の回答
あれから10年。今大会中の会見で、「今メッシに手紙を送るとしたら、何を書くか」と問われたフェルナンデスはこう答えた。「彼から学んだことや共有した思い出は多すぎる。1冊の本でも足りないでしょう」
敬愛するスターに、もう一度W杯のトロフィーを掲げさせる――その目標が25歳の原動力だ。逆転勝利後、フェルナンデスはメッシを肩車しながら、仲間と共に「メッシと手を取り合い、私たちはすべてを達成する」と歌った。主将のために団結するアルゼンチンが、死闘を制し連覇に王手をかけた。
イングランドの自滅
一方、イングランドは自滅した。後半10分にクロスから先制した後、攻撃的な選手を下げてDFコンサを投入し、5バックで逃げ切る策に出た。しかし、それが裏目に出た。時に全選手が自陣ペナルティーエリア近くに戻るほど重心が下がり、耐えしのぐ時間が続いた。サイドに流れたメッシに何度もピンポイントクロスを許し、逆転を許したのはメッシの2アシストによるものだ。
終盤に攻撃的選手を投入して軌道修正を図ったが、遅すぎた。60年ぶりの決勝進出を逃したイングランド。トゥヘル監督は「責任は私にある。批判は受け入れる」と悔やんだ。



