夏の甲子園への切符をかけた第108回全国高校野球選手権愛知大会の3回戦が18日、愛知県内各地の球場で行われた。中京大中京が西尾を5―0で下し、誉は一宮起工科を10―0、渥美農は昭和を6―4で破った。19日は6球場で16試合を予定している。
愛知啓成3―2碧南工科 笑顔絶やさず3失点で完投
愛知啓成との接戦の末に敗れた碧南工科の主将・柴田悠杜投手(3年)が、3失点で完投した。1点リードを許した五回二死一、二塁のピンチで迎えたのは、前の打席で長打を浴びた4番打者。「たまたま1本が出ただけ」とピンチの時に心がけているという笑みを浮かべた。冷静に二塁走者の逆を突くけん制でピンチを切り抜け、以降は毎回三者凡退に抑えた。
笑顔がアピールポイントだという。「緊張しても笑顔にしていると落ち着く。声を出すと気持ちも上がる」と、笑みを絶やさず投げ続けた。初回には一死二塁で放った安打が相手の失策を誘い、先制。その後も狙い通りロースコアの展開に持ち込んだが、逆転された後は得点を奪えなかった。それでも「全力で楽しめた。ここで少しキャプテンらしくなれたかな」と表情に曇りはなかった。
岡崎北8―0瑞陵 単独出場つないだ伝統
「流れを持ってこないと」。7点を追いかける六回、苦しい場面でマウンドに上がった瑞陵の丹羽孝介主将(3年)。六回は無失点に抑えたが、得意のカーブが思うように入らず、七回に追加点を許し仲間と交代した。ベンチからの「ナイスピッチ」の声に救われた。
積極的に仲間に声をかける姿勢が評価され、部員の話し合いで新チーム発足時に主将に選ばれた。部員は11人で、直後からけが人が相次いだこともあり、単独出場も危ぶまれる状況だった。自身も練習中に靱帯断裂の重傷を負った。「なんとしても単独で出場したい」と、昨秋の地区大会はけがを押して出場した。
主将就任時は「伝統ある野球部を守っていけるのか」と不安もあったが、仲間は「主体的に動いてくれた」。部員確保のために「自分たちがなぜ瑞陵を選んだのか」を振り返り、マネジャーが紹介資料を作成。受験生や新入生に配布した。練習では映像を撮りあってフォームを確認し、練習後のミーティングで共有した。天野正毅監督は「意見を理論立ててまとめることに尽力してくれた」と評価する。
受験生らへの働きかけもあり、13人の1年生を迎えて出場した今大会は、2回戦で新チームになって公式戦初勝利。この日の3回戦はコールド負けに終わったが「ベンチやスタンドの声で活気がある試合ができた。やりきった」とすがすがしい表情で語った。(小此木日向花)



