米国産ジャガイモの輸入解禁をめぐり、国内の生産農家らの反発が広がっている。政府は、米国の解禁要請を受け、その可否を含めて検討を進めるが、反対論の根っこには、病害虫が侵入すれば国内の生産に壊滅的な被害を及ぼしかねない、との危機感があるようだ。
「ジャガイモシストセンチュウ」への懸念
「ジャガイモシストセンチュウ」「ジャガイモシロシストセンチュウ」。その名前に、ジャガイモ農家は戦々恐々だ。
体長は1ミリにも満たない病害虫。人体への被害はないが、ジャガイモの根に寄生すると栄養の吸収を妨げ、生育不良などの被害をもたらすという。乾燥や低温にも強く、土の中で15年以上生き延びることもあり、根絶が難しいというやっかいな「代物」だ。
米国の圧力に懸念の声も
それだけに、米国産の生ジャガイモの輸入は現時点で禁止されている。シストセンチュウは高温の油で揚げると死滅するため、ポテトチップス用のジャガイモなどは、完全密閉状態で直接工場まで運んで調理することを条件に、2006年に輸入が解禁された。
ただ、米国は20年、スーパーや外食産業などで使うための生ジャガイモの輸出解禁を日本に要請。農林水産省はリスクとなり得る病害虫の特定作業など法律などに基づいた検討作業を進める。
こうした動きにジャガイモの生産農家らは反発を強めており、今後の政府の判断が注目される。



