BTS・Vも推薦の中国小説『十六夜膳房』、中村蒼主演で世界初ドラマ化
BTS・V推薦の中国小説『十六夜膳房』中村蒼主演で世界初ドラマ化

中国の人気小説『十六夜膳房』が世界で初めて映像化され、10月12日から日本テレビ系ドラマ『十六夜膳房』(毎週月曜24:24〜)がスタートする。中村蒼が日テレドラマ初主演を務め、死後の世界にある不思議な食堂で、死者へ“最後の一皿”を振る舞う料理人を演じる。

中国で累計閲覧数1億回を突破した原作

原作は、中国の作家・毛無(マオ・ウー)による同名小説。連載版は累計閲覧数1億回、読者数600万人を突破し、2017年に中国、19年に韓国で出版された。日本では11月に上巻が発売される予定で、原作者の毛無が現在、日本テレビの社員として働いている縁もあり、今回の世界初映像化が実現した。

死者が注文する「人生で最も忘れられない料理」

物語の舞台は、亡くなった人が訪れる黄泉の世界。そこには、現世に残した後悔や未練を手放すための“最後の一皿”を振る舞う「黄泉の食堂」がある。

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人は亡くなるとこの食堂へ導かれ、料理人「孟婆(もうば)」に“人生で最も忘れられない料理”を注文する。人生は、満月の翌日にわずかに欠け始める「十六夜」のように不完全で、後悔や未練がつきもの。孟婆は料理を通して死者を癒やし、しがらみから解放して来世へ送り出していく。

これまでサスペンスや刺激的な人間模様を描いてきた「ドラマDEEP」枠が、10月期は趣向を変え、死者の人生を料理からひも解く、切なくほろ苦いヒューマン・グルメ・ファンタジーを届ける。

中村蒼、デビュー20年で日テレドラマ初主演

主人公・孟婆を演じるのは、今年デビュー20年を迎えた中村。中国の伝承では、死者に記憶を忘れさせる「孟婆湯(もうばとう)」を飲ませる老婆として知られる存在だが、本作では男性の料理人として描かれる。

穏やかで、すべての命を愛し尊ぶ孟婆は、毎晩食堂を訪れる死者に料理と優しい言葉を届け、その魂を見送っている。一方、自身が何者なのか分からないまま100年もの間、黄泉の世界にとどまっているという謎も抱えている。

中村は脚本を読み、「多くの人が人生に何かしら後悔を抱えているのではないかと思いました。ご多分に漏れず私もその一人です」と感じたという。その上で、「後悔や失敗も含めてその人の一生」と捉え、「『自分の人生捨てたものじゃない』と改めて価値を見いだすきっかけとなる作品になったら良いなと思います」とメッセージを寄せた。

渋谷凪咲、念願かなって“猫”に

黄泉の食堂を取り仕切る白猫・白無常(しろむじょう)の声を担当するのは、渋谷凪咲。生成AIによって実際に話しているように動く白猫で、客の生前の情報や食事にまつわる思い出を集め、資料にまとめる“バイトリーダー”的な存在だ。

性格はドライでマイペース、自己中心的ながら憎めず、閻魔王には塩対応。渋谷がのびのびとした関西弁で、ワガママかつ毒舌、姫気質というキャラクターを演じる。

オファーを受けた渋谷は「猫の役と聞いて、ちょっぴり驚きました」としながら、もともと猫を飼っていたほどの猫好きであることを告白。「小学生の頃は毎日猫に生まれ変わりたいと思っていたので、同時に夢もかなってわくわくしています!」と喜ぶ。

死後の世界を描く作品ながら、「生涯の忘れられない食事を通して、人生の美しさや輝きに気づかせてくれる作品」といい、視聴者にも自身にとって大切な食事を思い浮かべながら楽しんでほしいと呼びかけている。

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秋谷郁甫はパンクな“閻魔王”に

3,000もの「黄泉の食堂」を統括する閻魔王を演じるのは、秋谷郁甫。本作の閻魔王は、一般的にイメージされるような天国か地獄かを判定する存在ではなく、“エリアマネージャー”的なポジションだ。

風貌はパンクロッカーで、性格は自由で明るいお調子者。白無常をこよなく愛しているものの、本人からはつれなくされ続けてもめげないキャラクターとなる。

秋谷は「ビジュアルからも感じていただけるほど、パンクな閻魔王!」と紹介し、「一つの見方にとらわれず、軽やかでチャーミングな閻魔王」と説明。中村演じる孟婆、渋谷演じる白無常を見守りながら、作品を盛り上げたいと意気込んだ。3人による軽妙な掛け合いも見どころとなる。

医学部在学中、人の最期に立ち会った経験をもとに執筆

原作者・毛無の本名は徐真然。中国・上海出身で、中国の医学部在学中、ICUで数多くの人の最期に立ち会った経験をもとに『十六夜膳房』を書き始めた。

毛無によると、人生の終わりに人が食べたいと願うものは、フォアグラやフカヒレといった豪華な料理ではなく、ワンタンや甘酸っぱいりんごなど、それぞれの大切な思い出と結びついた食事だったという。

中国には「十五的月亮十六円(満月は十五夜ではなく、十六夜にこそ本当に円くなる)」という言葉があり、毛無は「悔いの残る人生こそ、円満な人生」という思いを込めて作品を『十六夜膳房』と名付けた。

小説は中国、韓国で出版されたものの、当時は小説家として生活していくことに難しさを感じ、日本へ渡って日本テレビに入社。『月曜から夜ふかし』などの制作に携わってきた。そんな中、自身の作品を勤め先の日本テレビが映像化するという転機が訪れた。

毛無は「現代の中国小説がリメークではなく直接ドラマ化されるのは、とても珍しい試みだと聞きました」といい、10年にわたり作品を読み続けてきた読者や関係者への感謝を表明。「『十六夜膳房』は中国の民俗と神鬼をめぐる物語で、日本の皆さまには少し遠い文化かもしれませんが、食と愛は天下大同です」と、ドラマへの期待を寄せている。

日本テレビの鈴間広枝プロデューサーも、会社の後輩が小説を書いていたことを知って驚いたといい、原作について「欠点も失敗も後悔も、人生ごと包み込み肯定してくれる」とコメント。今後発表される食堂の仲間や各話ゲストにも俳優陣が集まっていることを明かし、「秋の夜長、この作品が、皆さまのほんの少しの息抜きに、明日を頑張るちょっとした活力になれたら幸いです」と話している。

中村蒼は、1991年3月4日生まれ、福岡県出身。2006年、寺山修司原作の舞台『田園に死す』で主演デビュー。以降、映画・ドラマ・舞台で幅広く活動し、NHK連続テレビ小説『エール』では主人公の幼なじみで作詞家となる村野鉄男を演じたほか、『赤ひげ』シリーズ、『命売ります』『詐欺の子』『浮世の画家』、映画『空飛ぶタイヤ』『もみの家』などに出演。舞台でも『お気に召すまま』『忘れてもらえないの歌』などに出演してきた。2026年にはNHK夜ドラ『ミッドナイトタクシー』、映画『開戦前夜』、Netflixシリーズ『SとX』などに出演している。