名古屋地方裁判所は2026年7月21日、マッチングアプリで知り合った女性に対し独身と偽って交際した男性に対し、121万円の賠償を命じる判決を言い渡した。加藤優治裁判官は「信頼を裏切られた原告の心の傷は深く、苦痛は極めて大きい」と述べた。
交際の経緯と発覚
訴状などによると、女性(35)は2023年4月、婚活支援のマッチングアプリで男性(38)と知り合った。男性は「元妻とは離婚しており、現在は独身」などと説明し、同年5月に交際を開始。2024年8月まで約1年3カ月にわたり交際を続け、性的関係も持った。キャラクター入りの婚姻届やおそろいの指輪も購入し、結婚後の生活について話題を交わしていたという。
しかし、2024年8月に男性が離婚しておらず、妻子がいることが発覚。女性は、性的関係を持つ相手を決める「貞操権」を侵害され、精神的被害を受けたとして、2025年6月に慰謝料など330万円を求めて提訴した。
裁判所の認定と判決
男性側は訴訟で、独身だと偽って交際したことは認めたが、将来の婚姻を前提とはしておらず、結婚に向けた具体的な話もしていなかったと主張。貞操権の侵害の程度は限定的だったと訴えた。
判決は、男性が女性やその家族に対し、将来的に婚姻する意思があるとアピールしながら、性交渉を含む交際を継続していたと認定。男性に121万円の支払いを命じた。
女性の反応
判決後、女性は取材に対し「不法行為だと認められたのはうれしいが、人生を壊した賠償が121万円というのは、被害が軽く見られていると思う」と語った。



