事実婚夫婦が証言台に
婚姻の際、夫婦別姓を選べない民法や戸籍法の規定は憲法に違反するとして、国に損害賠償などを求めた訴訟の本人尋問が29日、札幌地裁で行われた。原告は札幌市の事実婚の夫婦、佐藤万奈さん(39)と西清孝さん(34)だ。
佐藤さんは自身の氏を失った時の苦しみを振り返った。「初めは、自分を責めた。もっと前から名字について話し合っていたらよかったのかな」。職場では旧姓で呼んでほしいと頼むと、上司に「どうしてこだわる?」と言われたという。婚姻届を書くとき、夫の氏を選択する欄にチェックするよう西さんに頼まれ、愛する人も恨んだ。
「妻を傷つけていた」と気づく
西さんは妻の気持ちを聞いて驚いた。「名字を変えさせた自分が、妻を傷つけていたのか」。身の回りの夫婦はみな女性が名字を変えており、「最初は嫌だったけど慣れるよ」と母親や同僚は言っていた。自分も「改姓したくない」という意思を持った当事者なのに、妻に選択を押しつけていたと気づいた。
2人は法律婚を解消して事実婚に移行し、共同で原告となった。今は「法制度を放置している国」と共に戦っている。
「不平等がある」と訴え
西さんは最後、証言台で訴えた。「一見平等に見える婚姻の制度には、改姓する側としない側に不平等があるんです」。



