安愚楽牧場の和牛オーナー制度、国の対応違法と認定…賠償命令
安愚楽牧場和牛オーナー制度 国の対応違法と認定

大阪地方裁判所は30日、安愚楽牧場(栃木県)が展開した「和牛オーナー制度」で巨額の出資を募り、2011年に経営破綻した問題で、出資者ら約140人が国に損害賠償を求めた集団訴訟の判決を言い渡した。

斎藤毅裁判長は、安愚楽牧場が法律違反を認識できたのに業務停止命令などを出さなかった国の対応を違法とし、約130人に対して国に計約3億7000万円の賠償を命じた。

集団訴訟の経緯と意義

弁護団によると、国を相手取った集団訴訟は2014年に全国4地裁で起こされ、判決は2件目。国の賠償責任を認めた判決は初めてとなる。

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安愚楽牧場は、繁殖牛への出資金を集め、生まれた子牛の売却利益を配当する「和牛オーナー制度」を展開。牛不足のため、2007年頃から架空の牛を出資者に割り当てていた。農林水産省は2009年1月に牧場へ立ち入り検査を行った。

判決は、国が立ち入り検査で牛の頭数不足の疑いを認識していたと指摘。「牧場側に追加で説明やデータ提供を求めていれば、実態を把握できた」とし、預託法が定める国の権限を踏まえ、「牧場が違法な行為を続ける恐れを認識できたのに、必要な権限を行使しなかった」と結論付けた。

被害の規模と判決後の反応

安愚楽牧場は全国約7万3000人から約4200億円の出資金を集めたが、牛肉価格の急落で経営が傾き、2011年に経営破綻。警視庁は2013年、元社長らを預託法違反(不実の告知)容疑で逮捕し、元社長の有罪判決が確定している。

判決後、原告と弁護団は大阪市内で報告集会を開き、12年間続いた訴訟を振り返り、勝訴を喜び合った。弁護団の斎藤英樹弁護士は「国の違法を認定した意義は大きい」と評価。原告の一人で家族で1000万円超の被害に遭った大阪府内の男性(67)は「国がしっかりと指導していれば、ここまで被害は広がらなかったはずだ。国は判決を素直に受け止め、早く賠償してほしい」と述べた。

農林水産省は「国の主張が一部認められなかったものと承知している。判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。

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